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 ソフトバンク子会社で成層圏通信サービスを計画するHAPSモバイル(東京・港)が、出資先で同じく成層圏通信を手掛ける米Loon(ルーン)の成果の一部を引き継ぐ方向で、ルーン親会社の米Alphabet(アルファベット)と検討していることが、2021年2月19日までに日経クロステックの取材で明らかになった。ルーンは2021年1月に事業継続を断念すると発表していた。

 ドローンや人工衛星など「空飛ぶ基地局」を使った地球規模の無線通信サービスを巡っては、世界で研究開発や事業化に向けた競争が熱を帯びている。その一方で経営難に陥るケースも出ており、今後も事業者の合従連衡が続きそうだ。

技術力のあるルーンが先行

 成層圏通信サービスは従来の衛星通信を使った通信サービスに比べて低コストで事業を展開できるとされる。成層圏は太陽光を遮断する雲や通信機の安定飛行を妨げる風の影響を受けにくいなどの利点があるためだ。

 ルーンとHAPSモバイルはいずれも上空20キロメートルの高さで長期間飛び続ける無人飛行体「HAPS(ハップス)」を基地局として使っている。異なる点は基地局の機体で、ルーンは気球を、HAPSモバイルはドローンを使う。

HAPSモバイルが上空20キロメートルに飛ばすドローンのイメージ
HAPSモバイルが上空20キロメートルに飛ばすドローンのイメージ
(出所:ソフトバンク)
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 ルーンの前身は米Google(グーグル)の「ムーンショット」と呼ばれる長期的な新規事業を担う研究部門「X」で2011年に発足した成層圏通信プロジェクトにある。2018年にはグーグル親会社のアルファベットがルーンを子会社にした。

 翌2019年にはHAPSモバイルがルーンに1億2500万ドル(約140億円)を出資。両社は機体同士の通信ネットワークの連携や通信基盤の共用といった包括的な提携関係も結んでいた。