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 半導体のオリンピックと称される国際学会「ISSCC(International Solid-State Circuits Conference) 2021」が2月13日~22日の会期でオンライン開催されている。今回、企業の採択論文数では韓国Samsung Electronics(サムスン電子)が2位以下を大きく引き離したうえ、さまざまな技術分野で論文が採択されており、圧勝の金メダル*1。銀メダルは米Intel(インテル)。プロセッサーの採択論文はなく、意外にも大半がアナログ技術の発表である。銅メダルは日本のソニーセミコンダクタソリューションズと台湾MediaTek(メディアテック)だった。

 ISSCC 2021における企業の採択論文数(第1著者数でカウント。招待論文は含めない。国外/地域外法人の論文は含める)での順位はSamsungが15件でダントツ。2位はIntelで10件。3位は4件で、日本のソニーセミコンダクタソリューションズと台湾MediaTekが並んだ。5位は米IBMで3件。それ以外の企業は2件または1件である。

 Samsungの採択論文15件を下表にまとめた。デジタル、アナログ、メモリー、さらにパワーエレクトロニクスにまで広がっており、同社が持つ半導体技術の広さに圧倒される。

Samsungの採択論文一覧
Samsungの採択論文一覧
(ISSCC 2021の資料を基に日経クロステックが作表)
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GAAトランジスタを採用

 Samsungは製造プロセスの微細化でも強さを見せた。今回、3nmプロセスで製造するSoCに集積されるSRAMマクロを披露した。同社は3nmプロセスからGAA(Gate All Around)という新しい構造のトランジスタを採用する。14nm~4nmまで使ってきたFinFETに代わるのがGAAトランジスタである。FinFETはゲートを3方向に設けることで、それ以前の平面トランジスタに比べてリーク電流が減らせるため、トランジスタの駆動能力が高まった。GAAはゲートを4方向に増やしたもので、FinFETよりもさらに駆動能力が上がり、チップのPAA(Performance Power Area)の向上につながるとされる。3nmプロセスでの製造は、競合の台湾TSMCも準備を進めているが、TSMCはFinFETを使い続ける模様である*2

平面トランジスタ、FinFET、GAAトランジスタを比較
平面トランジスタ、FinFET、GAAトランジスタを比較
MBCFET(Multi-Bridge Channel Field Effect Transistor)はSamsungが同社のGAAトランジスタに付けた名称。(出所:ISSCC 2021)
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