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 なぜ、くずし字というニッチな分野に長年取り組んだのか。開発を手がけた凸版印刷 情報コミュニケーション事業本部事業創発本部BD2チームの大澤留次郎担当課長は、文化貢献のみならずビジネスの観点から「取り組むメリットがある」と話す。

 1つは、関連するアーカイブ事業の利用拡大を図る。同社は資料の保全や文化財の3次元計測、VR化など多様なアーカイブ事業を手がける。古文書の解読をきっかけに、これら様々なアーカイブサービスの利用につなげる。

 OCR事業の「基礎体力をつける」(大澤担当課長)という狙いもある。同社は現代日本語の出版物をテキスト化するOCRサービスも提供しているが、現時点で手書き文字には対応していない。今後データの蓄積やAIの作成などふみのはゼミの開発で蓄積した知見を生かし、手書き文字を読み取る新サービスの開発を目指すという。官公庁や自治体の手書き帳票の読み取りなどを想定する。

 同社はふみのはゼミについて、2023年までに関連事業を含め約10億円の売り上げを目指すとしている。6年かけたくずし字の研究でどこまでビジネスを拡大できるか。今後の取り組みにかかっている。