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 北国銀行がデジタル人材の積極採用に乗り出している。IT分野の強化を目指して2019年11月に設立した子会社、デジタルバリューを受け皿に、2021年2月までに17人を新たに採用した。「首都圏にこだわらない」「経験者にこだわらない」という逆張りの採用方針が功を奏している。

金沢市にある北国銀行本店(出所:北国銀行)
金沢市にある北国銀行本店(出所:北国銀行)
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 北国銀行が多くのデジタル人材を必要とする理由は明快だ。同行は「次世代版 地域総合会社」になる目標を掲げており、実現のための柱の一つとして銀行システムや業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)に次々と取り組んでいるからだ。例えば勘定系システムを日本マイクロソフトのパブリッククラウド「Microsoft Azure」上で稼働させることを決めている。そのクラウド上で稼働するマイクロサービスは、内製でアジャイル開発していく体制を構築しようとしている。ペーパーレスでの契約など行員の店舗での業務を店外でも実施できるようにするなど、働き方改革も進めている。

 行内のDXプロジェクトが今後も目白押しなだけでなく、培ったノウハウを生かして地域企業のDX支援にも着手している。開発に携わる人員は社員や協力会社の社員など200人を超える規模になったが、デジタル人材はまだまだ足りない。採用責任者である北国銀行システム部システム部長兼開発グループ長の岩間正樹氏は、「今後も採用を拡大する」と意欲を見せる。一方、北国銀行のような地方銀行がデジタル人材の採用を積極的に進めるうえで、不利な面がある。

地方の不利を乗り越える

 不利な面とは、地方にデジタル人材が少ない、または都心からデジタル人材が地方に移り住んでもらいにくいというもの。これを乗り越えるために北国銀行は、システム子会社であるデジタルバリューの本社を東京に置いた。首都圏に住むデジタル人材が転職先として選びやすくなることや、デジタル人材が集まるコミュニティーに参加して人脈を築きやすくなることが狙いだった。