全1618文字
PR

 3次元CG(コンピューターグラフィックス)を使って自動運転車をテストする「バーチャルテスト(仮想テスト)」の重要性が高まっている。バーチャルテスト用の3次元CGデータを手掛けるバーテックス(東京・千代田)は、「いよいよ本格的な実用期に差し掛かった」(同社社長の尾小山良哉氏)と期待を寄せる。

バーテックス社長の尾小山良哉氏
バーテックス社長の尾小山良哉氏
(出所:バーテックス)
[画像のクリックで拡大表示]

 背景には、バーチャルテストの仕組み(フレームワーク)を業界全体で標準化する動きがある。ドイツの連邦経済エネルギー省(BMWi)のプロジェクト「PEGASUS」や、国際標準化団体ASAM(Association for Standardisation of Automation and Measuring Systems)の活動が中心となり、SILS(Software-In-the-Loop-Simulation)環境の仕様策定が進む。

業界標準化の動きが進む
業界標準化の動きが進む
(出所:バーテックス)
[画像のクリックで拡大表示]

 バーテックスは、こうした標準化の動向を踏まえた上で、将来主流になりそうなバーチャルテストのフレームワークを独自に構築した。具体的には、3次元ゲームエンジン「Unreal Engine 4(UE4)」を使ったセンサーシミュレーションと、車両運動シミュレーター「CarSim」を使った挙動シミュレーションを連係させる。シミュレーションの連係には、オーストリアAVLが提供する連成計算プラットフォーム「Model.CONNECT」を使った。

将来の動向を考慮して構築したフレームワーク
将来の動向を考慮して構築したフレームワーク
(出所:バーテックス)
[画像のクリックで拡大表示]

 バーテックスは、仮想空間に配置する道路などの環境データ「AUTO City」を提供する。センサーシミュレーション向けには、UE4ベースの3次元CGデータ、挙動シミュレーション向けにはASAMが策定した業界標準のデータフォーマット「OpenDRIVE」形式のデータを提供する。なお、OpenDRIVEデータは米MathWorks(マスワークス)の設計ツール「RoadRunner」で制作した。

 連成シミュレーションを行うためには、「当たり前だが、3次元CGデータとOpenDRIVEデータが同一の位置情報にひも付いていることが重要」(同氏)になる。そのため、同社は同一の仮想空間から2種類のデータを作り、パッケージ化して提供している。「3次元CGデータと、それにひも付いたOpenDRIVEデータを提供できるのは我々だけだ」(同氏)という。

同一空間に対して2種類の環境データを提供
同一空間に対して2種類の環境データを提供
(出所:バーテックス)
[画像のクリックで拡大表示]