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 ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)の生産子会社であるルネサス セミコンダクタ マニュファクチュアリングの那珂工場(茨城県ひたちなか市)の火災で、出火原因がめっき装置であることが分かった。同装置の筐(きょう)体とめっき槽が相対的に熱に対する強度が低く、過電流が発生したことにより発火に至ったという。火災が生じた直径300mmの半導体ウエハーの生産ライン(以下、300mmライン)は依然、稼働を停止中。生産再開のめどはたっておらず、自動車メーカーの調達に影響を及ぼす可能性は払拭できていない。

那珂工場の火災の第2報
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那珂工場の火災の第2報
300mmラインが稼働を停止した。出火原因はめっき装置であることが判明した。(出所:ルネサスのWebサイト)

 焼損した面積は約600m2。300mmラインを設置したN3棟1階のクリーンルーム面積が1万2000m2だから、焼損した面積は約5%に相当する。焼損した製造装置は11台。N3棟にある全製造装置の約2%に当たる。加えて、純水供給装置や空調装置など用役設備の一部にも被害が出ている。ただし、過電流が発生した原因や発火に至った経緯については「調査中」(ルネサス)だ。

 火災が発生したのは2021年3月19日の午前2時47分ごろで、同日午前8時12分ごろに鎮火を確認。翌3月20日午前9時に警察と消防が現場検証を開始し、同日午後1時ごろに現場検証を終えた。この結果、出火原因が判明した。

那珂工場の場所と工程
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那珂工場の場所と工程
自動化ラインを使って300mmの半導体ウエハー上に半導体集積回路を製造する。この前工程で火災が起きた。(出所:ルネサスのWebサイト)

 直径200mmの半導体ウエハーの生産ラインであるN2棟と、ウエハーのテスト工程が入るWT棟は稼働しており、製品の出荷を継続している。仕掛かり品の被害や業績などへの影響は現時点で不明で、精査中だという。