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 東京ディズニーリゾート(TDR)を運営するオリエンタルランドが、デジタルトランスフォーメーション(DX)に舵(かじ)を切った。デジタル戦略を担う専任組織を立ち上げ、顧客向けサービスの拡充を進める。新型コロナウイルス感染症の影響で厳しい経営状況が続く中、ウィズコロナ・アフターコロナ時代を見据えて狙うのは「パークDX」だ。

デジタル戦略の専任組織を立ち上げ、DXに力を注ぐ
デジタル戦略の専任組織を立ち上げ、DXに力を注ぐ
(出所:オリエンタルランド)
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 「経営とデジタルを一枚岩でやっていくべきだという議論は以前から社内であったが、新型コロナでその必要性が一気に高まった。厳しい状況下だが、新たに立ち上げた組織でスピード感のあるデジタル施策を打っていきたい」――。2021年2月に新設されたデジタル戦略部の責任者、木村守善経営管理本部デジタル戦略部長はこう力を込める。

 デジタル戦略部の発足により、これまで別々の部署に分かれていた顧客向けデジタル施策の企画部隊と、開発部隊が一堂に会した。「従前は部署が分かれていて案件を進めるのにどうしても時間がかかっていた。スピードが求められるデジタル領域では企画と開発を同じチームとして回す方がいい」(木村部長)。同組織は主にTDRへ来園する顧客向けのデジタルサービスの開発を担う。

オリエンタルランドの木村守善経営管理本部デジタル戦略部長。40~50代が中心の部長職の中で、最も若い38歳でデジタル戦略部の責任者を任された
オリエンタルランドの木村守善経営管理本部デジタル戦略部長。40~50代が中心の部長職の中で、最も若い38歳でデジタル戦略部の責任者を任された
(撮影:日経クロステック)
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 同社のデジタル戦略の核となるのが2018年に立ち上げた公式アプリ「東京ディズニーリゾート・アプリ」だ。アトラクションなど施設の情報や待ち時間などが見られるほか、レストランの予約やチケットの購入、ホテルへのチェックインもできる。2019年には時間指定の優先搭乗券「ファストパス」をアプリから取得できるようにし、2020年9月には「3密」を作らないために待ち行列を減らす機能を実装するなど、来園客が効率よくかつ安全・安心して楽しむための機能を随時追加している。

 2021年2月時点でダウンロード数は1200万件を超え、多いときは来園客の9割が同アプリを利用するほど、TDRに欠かせない存在となった。「今後も安全・安心にTDRを楽しんでいただけるデジタルサービスをアプリに実装し、ゲスト(来園客)の体験価値向上につなげたい」(木村部長)。