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 「システム障害が発生した際に、ITに詳しくない職員であってもシンプルな操作で復旧作業を進められる点を評価して採用した」。大阪府高槻市が導入した業務システム向けの新たな仮想化基盤について、前尚徳総合戦略部情報戦略室主査はこう語る。

 高槻市は2020年11月、汎用のハードウエアやパッケージソフトを組み合わせて、仮想化環境や共有ストレージなどを統合して利用できるようにするシステム「ハイパーコンバージドインフラストラクチャー(HCI)」を導入した。

業務システムを支えるインフラとしてHCIを採用した大阪府高槻市
業務システムを支えるインフラとしてHCIを採用した大阪府高槻市
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 具体的には、ニュータニックス・ジャパン(東京・千代田)のHCI「Nutanix Enterprise Cloud OS」を採用。グループウエアやファイルサーバーなどをHCI上で運用している。加えてニュータニックスが提供するハイパーバイザーの「Nutanix AHV」を使い、DR(ディザスタリカバリー、災害復旧)サイトにファイルサーバーのレプリケーションを実施している。

 HCIはここ数年で台頭した比較的新しい技術だ。それを高槻市が内部業務システムのインフラとして採用するに至ったきっかけは、2018年6月の大阪府北部地震だ。当時、行政ネットワークを支えるITは無事だった。

 だが最大震度6弱という大規模な地震を経験したことで、前主査らは「震災で市役所の行政ネットワークや業務システムが万が一にも止まれば、被災した市民の生活にも多大な影響を及ぼす。何とかしなければ」と痛感したという。