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 ファミリーマートは2021年2月、電子マネー「FamiPay」への新サービス追加を発表した。FamiPayの残高が不足した際も後払いで決済できる「FamiPay翌月払い」とローンサービスの「FamiPayローン」を2021年夏以降に提供開始する。昨今小売業など非金融事業者が金融サービスに参入する動きが盛んになっている。FamiPayの新サービスはそんな動きの1つだ。

 FamiPay翌月払いは利用者が最大10万円までチャージをせずに買い物ができ、翌月以降にまとめて支払えるサービスだ。FamiPayローンは決済アプリ「ファミペイ」から、資金の借り入れを申し込める。

 ファミリーマートは新サービスの提供に当たり新生銀行グループの新生フィナンシャル、セカンドサイトの2社と協業する。協業により、ファミリーマートが保有する購買データと金融事業のノウハウを掛け合わせ、新たな与信の仕組みを構築していくとする。利用者の同意を得た上で利用店舗や購買履歴などのデータを与信に生かす。

決済アプリ「ファミペイ」の画面イメージ
決済アプリ「ファミペイ」の画面イメージ
(出所:ファミリーマート)
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 ファミリーマートが金融サービスの拡充に力を入れる背景には、コンビニエンスストアのビジネス環境の変化がある。日本フランチャイズチェーン協会によると、コンビニの店舗数は2005年に現行の統計方式による調査を開始して以降増加し続けてきた。しかし2019年の調査では前年比0.2%減と初の減少に転じている。人手不足による人件費の高騰などによりフランチャイズチェーン(FC)加盟店の経営が厳しくなっていることが要因の1つだとみられる。コンビニ各社は従来のように店舗拡大で売り上げを増やす戦略を見直す必要に迫られている。

 ファミリーマートは決済アプリのファミペイを顧客接点を増やすためのツールとして位置付ける。ファミリーマートマーケティング本部の佐藤邦央イノベーション&アライアンス推進部長によると「物理的なポイントカードを利用する顧客と比較し、決済アプリのファミペイを利用する顧客は来店頻度が倍程度ある」という。同社は翌月払いやローン機能の追加によりファミペイ利用者の利便性を高めることで、店舗への客足をさらに伸ばしたい考えだ。自社で保有する購買データを利用した独自の与信の仕組みの導入も、利用者にとって同社の決済サービスの使いやすさにつながる。