大日本印刷(DNP)は全国の自治体や施設管理者と共に、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)など「XR(eXtended Reality)」によるまちづくりを始める。実在の場所を精緻に再現した仮想空間を構築し、現実世界と連動させることで、生活者に新しい体験価値を提供する。同社は、XR関連事業の総称を「XRコミュニケーション事業」と呼び、2025年度に100億円の売り上げを目指す。
アバターで仮想空間を自由に移動
DNPは札幌市の北3条広場と東京都渋谷区の宮下公園を対象に、それぞれの管理者が公認する仮想空間を構築する。前者は2021年4月末、後者は同年5月末に開設する予定だ。
北3条広場については、同広場の管理や運営を手掛ける「札幌駅前通まちづくり」と共に、仮想空間を活用したまちづくりを進め、文化や観光、スポーツなど地域の魅力を発信する。
一方、宮下公園については、同公園の管理や運営を手掛ける「宮下公園パートナーズ」や一般社団法人渋谷未来デザインと連携し、実際の施設と仮想空間が連動した音楽ライブやライブコマースのイベントなどを開く。
仮想の街や施設の利用イメージはこうだ。まず、パソコンやスマートフォンのブラウザーなどで特定の街や施設ごとに構築された仮想空間のWebサイトに接続。次に、そこで催されている展覧会や音楽ライブ、ワークショップなどの企画、好みのアバター(分身)を選び、仮想空間に入る。アバターは現実世界が精緻に再現された空間を自由に移動でき、他のアバターと音声で会話できる。