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 繊維原料などの開発と販売を手掛ける帝人フロンティアがセンサーを活用した様々な新規事業に力を入れている。その1つが睡眠サービスだ。2021年3月に健康アプリを提供するFiNC Technologiesと連携してサービスを開始した。将来的には睡眠の質向上につながる食事や運動に関するアドバイスを提供することも視野に入れる。睡眠の可視化だけではなく、詳細なアドバイスを提供することで他の睡眠サービスとの差異化を狙う。

帯状のデバイスを寝具に敷いて寝ることで睡眠状態を評価しアドバイスする。
帯状のデバイスを寝具に敷いて寝ることで睡眠状態を評価しアドバイスする。
(出所:帝人フロンティア)
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 新たに始めた睡眠サービス「Sleep Concierge」は圧電センサーを搭載した帯状のデバイス「MATOUS SS」を寝具に敷いて寝るだけで、睡眠中の状態を評価する。圧電センサーが睡眠時の体動情報を計測し、独自のアルゴリズムで睡眠時間や寝返りの回数、呼吸数などを推定し睡眠の状態をスコア化。専用のアプリで評価結果やアドバイスを確認できる。

 今回のデバイスは医療機器ではないものの、睡眠状況の評価の正確性を高めるために「医療機器である脳波計で計測した結果と、今回開発したデバイスで計測した結果を比較しながら開発を進めてきた」と帝人フロンティアの取締役執行役員 技術・生産本部長 兼 新事業開発室長の重村幸弘氏は話す。

アプリのイメージ
アプリのイメージ
(出所:帝人フロンティア)
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 多くの睡眠サービスは、睡眠時間や中途覚醒などの睡眠状況の可視化がメインとなっている。一方で帝人フロンティアとFiNC Technologiesは、睡眠状況の可視化だけではなく提供するアドバイスの内容にもこだわったという。

 アドバイスは睡眠時間や入眠までの時間、中途覚醒、離床までの時間に関してそれぞれアプリに表示する。例えば睡眠時間に関しては「まだまだ足りない状態です。就寝前に必要以上にスマホを操作する習慣がついていませんか。スマホの操作が脳を興奮させて寝付きにくくなります。睡眠30分前からの操作は控えましょう」、中途覚醒に関しては「離床を伴うほどの中途覚醒の原因としては睡眠前に過剰な水分やアルコール、カフェインを摂取したことによる尿意や運動不足、もしくはストレスなどが考えられます」などである。

 睡眠の質を向上させるためのアドバイスは専門家の監修を受けて作成した。評価結果とアドバイスを示すアプリの開発には2年以上を費やしたという。質の高い睡眠のためには、昼間の行動も重要とされる。帝人フロンティアとFiNC Technologiesは今後、FiNC Technologiesのアプリで収集している運動や食事のデータも含めて解析していく考えだ。睡眠時のアドバイスだけではなく、安眠に向けた日中の行動に対するアドバイスも提供する。