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2020年の貯蔵市場は1GW超

 ウッズマッケンジーによると、エネルギー貯蔵設備の価格が下落し、エネルギー貯蔵の開発・導入の障壁が低くなるにつれて、米国では「フロント・オブ・ザ・メーター」の普及拡大が進んでいる。2020年第4四半期に稼働したエネルギー貯蔵設備651MWのうち81%の529MWが「フロント・オブ・ザ・メーター」となった。さらに、モス・ランディングに代表されるように、「フロント・オブ・ザ・メーター」がカリフォルニアにおける同四半期のエネルギー貯蔵導入の大部分を占めた。

 2020年の年間導入量で見てみると、前年比179%増の出力1464 MW、容量3487 MWh のエネルギー貯蔵設備が米国で稼働した。これは、米国エネルギー貯蔵市場が1GWを超えた最初の年となる。

 米国で、2013年から2019年にかけて3115MWhのエネルギー貯蔵設備が導入されたが、2020年の1年間だけで、それ以前の6年間の累積導入量を上回るエネルギー貯蔵設備が導入されたことになる。

 ウッズマッケンジーでエネルギー貯蔵責任者であるダン・フィンフォリー氏は、この2020年第4四半期のデータ発表の数日前に行われた「米国エネルギー貯蔵産業の年頭教書:2020年の回想」と題したセミナーで、電力会社の「資源総合計画(IRP)」をエネルギー貯蔵市場の「分岐点」と呼んだ。

 資源総合計画には、資源の多様化、省エネ、輸入化石燃料への依存低減、長期的な資源調達方法などが含まれる。米国の電力会社が、エネルギー貯蔵設備の導入の急拡大していることは、資源総合計画を見るとよくわかる(図3)。

図3●エネルギー貯蔵設備の導入を資源総合計画(IRP)に含める電力会社が増えている
図3●エネルギー貯蔵設備の導入を資源総合計画(IRP)に含める電力会社が増えている
(出所:Woods Mackenzie)
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