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目指すはマイクログリッド

 このプロジェクトによる発電量はヒールスバーグ市の運営する施設が消費する電力需要の8%に相当する。さらに、同市は地方公営事業者として地域で小売電気事業を行っており、2030年までにエネルギー供給の60%を再エネで賄うという目標を持っている。この水上プロジェクトで、現在、同市の電力供給に占める再エネの割合は48%なり、このプロジェクトで目標達成に一歩近づいた。

 クロウレイ氏によるとヒールスバーグ市では、コミュニティ単位でのエネルギー地産地消に関心を持っているという。特に、非常時にも自立してエネルギーを供給できる「マイクログリッド」プロジェクトを検討している。

 2019年に起こった「キンケイド・山火事」により、同市の住民と企業は4日間に渡る停電に見舞われた。

 米国では、先月2月にもテキサス州を襲った記録的な寒波で、大規模な停電、そして公共の水道インフラも麻痺し、同州の1400万人以上が安全な水を確保できない状況に陥った。

 安心、安全なエネルギー供給がますます重要になってきている。

 クロウレイ氏は、この水上プロジェクトも近い将来マイクログリッドの一部になるかもしれないとし、エネルギー貯蔵設備を併設することにより、一定レベルのエネルギー安全保障を提供できると期待している。

 「(エネルギー貯蔵設備の)コストはたいへん大きな課題です。現在、3~4MWのエネルギー貯蔵設備を検討中ですが、やはり、コストがネックですね」と、クロウレイ氏は、マイクログリッド建設の壁を語った(図3)。

図3●米国最大の水上フロート式メガソーラー稼働開始
図3●米国最大の水上フロート式メガソーラー稼働開始
(出所:The City of Healdsburg)
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