英Arm(アーム)は、「Arm Vision Day 2021」を2021年3月30日にオンライン開催した。このオンラインイベントの目玉は、10年ぶりとなる新アーキテクチャー「Armv9」(以下v9アーキ)の発表である(ニュースリリース)。v9アーキはv8アーキとの互換性を維持しながら、セキュリティーを強化し、演算能力を向上させた。
オンラインイベントの基調講演で、ArmのCEOを務めるSimon Segars(サイモン・シガース)氏は、「Arm(コア)の上で、コンフィデンシャルコンピューティングを実現する」と述べ、v9アーキ開発においてセキュリティーの強化に力を入れたことをアピールした。コンフィデンシャルコンピューティングとはデータやアプリケーション(処理手順)の機密性を保ちながら演算を実行することを指し、特にパブリッククラウドなどで注目されている技術である。アーキテクチャーで競合する米Intel(インテル)の研究部門(Intel Labs)は、20年12月に開催したオンラインのプライベートイベントにおいて、コンフィデンシャルコンピューティング技術を成果の1つとして紹介していた*1。