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 みずほフィナンシャルグループ(FG)は2021年4月5日、都内で記者会見を開き、2月から3月にかけて起きた一連のシステム障害の対応状況を説明した。ここにきて注目を集めているのが、3月12日に起こった送金に関わる障害だ。障害発生から復旧まで約7時間を要し、担当ベンダーである日立製作所への負担要求も取り沙汰される。負担する場合の焦点は損害賠償額の上限設定にありそうだ。

 「現場の個々の問題というよりも、経営の問題として深く受け止める必要がある」。4月5日の記者会見で、みずほFGの坂井辰史社長はこうした認識を示した。この日の発表は中間報告という位置付け。今後は外部の有識者や専門家で構成する「システム障害特別調査委員会」の評価・提言などを基に、最終的な報告をまとめる。

4月5日の記者会見で説明するみずほFGの坂井辰史社長
4月5日の記者会見で説明するみずほFGの坂井辰史社長
(撮影:日経クロステック)
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 みずほ銀行を巡っては2021年2月28日以降、4件の障害が続発した。2月28日に起こった最初の障害では、みずほ銀行のATMがキャッシュカードや通帳を取り込み、顧客が店舗などで立ち往生した。ピーク時は自行ATMの7割超に相当する4318台が停止した。

 最初のシステム障害が発生してから1カ月以上が経過し、一連の障害の経緯なども徐々に明らかになってきた。このタイミングで関係者の注目を集めているのが、3月12日に起こった4件目の送金障害だ。

 障害のきっかけは「統合ファイル授受基盤」のディスク装置の故障にある。本来は同装置が故障すれば、バックアップ装置に自動で切り替わる仕様だったがうまくいかなかった。手動での切り替えも試みたが、こちらもうまくいかなかった。

 結局、統合ファイル授受基盤の復旧までに約7時間かかり、その影響を受ける形で夜間の日付切り替えやバッチ処理なども遅れた。結果的に国内他行向け外為送金263件(取引総額は約500億円)で遅れが出た。これに伴う為替の差分などの損失はみずほ側が負担している。

 みずほFGは4月5日に公表した資料の中で、3月12日の障害に関し「万一の場合に備えたベンダー側の早期サービス復旧手順並びに実施体制が確立されておらず、障害発生から復旧まで約7時間を要した」と指摘。日立も3月12日の障害について「みずほ銀行をはじめとする多くの関係者の皆様に多大なるご迷惑をおかけしましたことを、深くおわび申し上げます」とのコメントを発表した。