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 全自治体のうち、およそ97.6%が2020年度中に端末の調達を完了する見込み――。文部科学省は2021年3月、小中学校などの児童・生徒に1人1台の端末を配備する「GIGAスクール構想」の進捗を発表、各自治体の調達状況を明らかにした。1人1台環境で学習の改革を目指すGIGAスクール構想の土台が全国で整いつつある。

 文科省の調査に回答した1812自治体のうち、2021年3月末までに端末の納品を完了する見込みだと回答したのは1769自治体だった。ここでいう「納品完了」とは文科省によると「生徒の手元に端末が渡りインターネットの整備を含めて学校での利用が可能な状態になること」。つまりは学校で端末を使った授業を始められる環境が整ったことを意味する。

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全自治体の端末納品完了時期
全自治体の端末納品完了時期
(文部科学省の資料を基に日経クロステックが作成)
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 一方、納入完了が2021年度の2学期以降となる自治体が22に上ることも明らかになった。市内の小中学校合わせて約16万台の端末を整備する予定の名古屋市はそのうちの1つだ。同市では先行して独自に環境整備を進めていたがゆえの混乱があったという。名古屋市教育センターの長坂雄也学校情報化支援部事務係長は「政府がGIGAスクール構想を発表した2019年12月時点ではすでにモデル校に設定した小学校で1人1台端末を配備し、独自に検証を進めていた段階だった」と説明する。

 「名古屋市では『整備に時間がかかってでも端末を導入したらすぐに活用できるような環境を整備する』という姿勢で実践に取り組み、モデル校で得た知見を継承しつつ整備を進めていく計画だった。ところがGIGAスクール構想によって急きょ1人1台環境を整備していく方針に転換が必要になった」(長坂係長)。この方針転換が同市において整備が遅れている理由だと言う。「現時点では小中学校合わせて36校の約1万5000人の生徒に対して1人1台環境の整備が完了している」(同)