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「成長の実感ない」新人をどう育てるか

 一方、テレワークの普及で顕著になったデメリットがある。成長の実感を十分に得られないことだ。

 特に入社したての4月は、仕事や同僚との関わりのなかで成長を感じている度合いが低かった。「新人が業務を通じて『壁』を乗り越える経験や達成感を得られていないからではないか」(近藤研究員)。

モチベーション尺度の年度間比較。オレンジ色の線は「成長実感」を示す
モチベーション尺度の年度間比較。オレンジ色の線は「成長実感」を示す
(出所:リクルートマネジメントソリューションズ)
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 成長の実感を得にくいというテレワークの課題をどう解決すればよいのか。近藤研究員はマネジメントの具体的なポイントとして「新人をケアするネットワークづくり」「1on1ミーティングによる日々のフィードバック」「迅速なフィードバック」の3つを挙げる。

 最初の「新人をケアするネットワークづくり」については、そもそもテレワークではチームメンバーがオフィスに集まることは少なく、新人を逐一観察するのは難しいため、新人と仲の良いメンバーと接点を意図的につくるといった取り組みが有効だという。新人の性格や得意・不得意を把握しなければ、適切な仕事を適切な量で任せることは難しい。マネジャーから見えにくい新人の状況を素早く的確に把握するのに、チームメンバーの力を借りるわけだ。

 2つ目の「1on1ミーティングによる日々のフィードバック」は、新人に「成長している」という実感を持ってもらうのに必要だという。ただ教えて終わりではなく、新人が手掛けた日々の業務について積極的にマネジャーがフィードバックする。しかも他の社員が参加しない1on1ミーティングにすることで、新人が仕事についての考えや思い、悩み事などを話しやすくする環境を用意する必要がある。

 これと関係するのが3つ目の「迅速なフィードバック」である。例えば「新人が昨日できなかった業務を今日はできるようになったといったことをすぐにフィードバックする」(近藤研究員)。テレワークは業務を進める過程が見えにくい。新人が一連の業務を完了させてからフィードバックするのではなく、過程でも都度フィードバックする。これにより新人は自身の成長を日々感じられるようになるという。

 同社は調査を基に、「入社直後(4~6月)のケアが重要視されるが、新入社員のコンディションはそれ以降も悪化する傾向があるため、年間を通したケアが必要である」ともしている。テレワークというニューノーマル(新常態)への変化に対応しつつ、マネジャーにはデジタルネーティブ世代に合った育成が求められている。