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 年商100億円以上の製造業321社から記名で回答を得た製造業DX(デジタルトランスフォーメーション)調査*1では、製造企業の78.5%が「DXを重要」と認識し、44.9%が「すでにDXに取り組んでいる」と回答した。その中身を見ると「名ばかりDX」と思える姿も多少は見え隠れするものの、製造企業各社のDXへの高い意欲がうかがえた。

 

 では、現場の従業員の本音はどうだろうか。日経BP総合研究所 クリーンテック ラボと日経クロステックが製造業の従業員を対象にして2020年12月に実施した製造業DXに関するWeb調査*2から「現場の姿」を探った。一連の分析からDX成功の1つのパターンが見えてきた。

*1の調査は日経BP総合研究所 クリーンテック ラボと日経クロステックが日本科学技術連盟(日科技連)の協力を得て、日科技連の賛助会員企業と帝国データバンクのリストから抽出した年商100億円以上の製造業4256社に調査票を郵送し、期限までに得た321社の回答を分析した。*2の調査も含め、詳しい調査結果や分析は『製造業DX調査レポート』(日経BP)にまとめている。
調査結果のポイント
  • 製造業勤務3000人の回答者からDXに関わる1510人を絞り込んで分析
  • DXが「順調である」は19.2%
  • 「順調であるDX」をリードしている部署1位は「DX推進の専門部署」
  • 「順調でないDX」をリードしている部署1位は「情報システム」
  • DXが順調な企業は部署間連携が「よくできている」

1510人の回答から「本音」を探る

 まずは、調査概要を示す。期間は2020年12月14~18日、形式はWeb調査である。「日経クロステック」と「日経ビジネス電子版」のメールマガジン登録者に告知して回答を促したほか、ネットリサーチ会社のパネル登録者で従業員100人以上の企業に所属する人たちからも回答を得た。これらの中から所属企業の業種が「製造業」に関連している3000人の回答を有効とした。

 回答者が所属する企業のプロフィルは図1図2の通りである。業種は様々で、企業規模も売り上げ10億円未満から1兆円以上まで幅広く、極端な偏りはない。

図1 回答者が所属する企業の業種
図1 回答者が所属する企業の業種
出所:『製造業DX調査レポート』(日経BP)
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図2 回答者が所属する企業の規模(左:従業員数、右:年間売り上げ)
図2 回答者が所属する企業の規模(左:従業員数、右:年間売り上げ)
出所:『製造業DX調査レポート』(日経BP)
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