全2605文字
PR

 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は2021年4月13日、災害対応やインフラ点検といった政府調達などに向けた「安全安心なドローン基盤技術開発」事業の進捗状況について記者説明会を開催した。

 同事業は、政府・公共部門やインフラ事業者などの業務ニーズに対応する安全性や信頼性を確保した標準ドローンの設計・開発や、日本のドローン産業の競争力を強化するためのエコシステム醸成を目的とする。今回の説明会は標準ドローンの試作機が完成したことを受けたもので、今後は量産に向けて開発を進め、21年度内の市場導入を目指す。

安心安全ドローンの試作機。重さは1.7kg、幅は65cmで、飛行時間は30分。標準カメラとして4Kに対応した1インチ、2000万画素品を搭載する。ACSLなど実施企業5社で共同開発した
安心安全ドローンの試作機。重さは1.7kg、幅は65cmで、飛行時間は30分。標準カメラとして4Kに対応した1インチ、2000万画素品を搭載する。ACSLなど実施企業5社で共同開発した
(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 NEDOは20年1月27日に公募を開始し、同4月27日に実施企業5社を公表。開発が同5月にスタートした。19年度の政府補正予算16.1億円を充てた。事業期間は当初、21年2月までを設定していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて21年11月30日まで延長している。

 今回の事業を企画した経済産業省製造産業局産業機械課次世代空モビリティ政策室長の川上悟史氏は、「開発スタートから1年未満という短期間で開発してくれた。ドローンがホビーから空撮、そして産業用途や政府の各種業務用途に広がる中で、『セキュリティーは万全なのか』という疑問が各所から上がってきた。経産省が各省にヒアリングをして、ドローンの仕様に落とし込んだ」と話した。

 なお、今回の事業は「委託事業」(21年7月31日終了予定)と「助成事業」(21年11月30日終了予定)に分かれている。委託事業の目的は、政府調達を想定した標準機体、並びに機体を制御する“頭脳”であるフライトコントローラーの標準基盤を設計・開発すること。助成事業は、主要部品の設計・開発支援や量産体制の構築支援などが目的である。実施企業5社のうち、前者は自律制御システム研究所(ACSL)、ヤマハ発動機、NTTドコモが、後者はACSL、ヤマハ発動機、ザクティ(大阪市)、先端力学シミュレーション研究所(東京・文京)が担っている。

「安全安心なドローン基盤技術開発」事業のビジョン
「安全安心なドローン基盤技術開発」事業のビジョン
(図:NEDO)
[画像のクリックで拡大表示]