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 りそなホールディングス(HD)が営業店システムの刷新でローコード開発ツールを全面採用し、工期を半分以下に縮める成果を上げた。営業店システムの開発にローコード開発ツールを全面採用する邦銀は珍しい。

 2021年4月19日から新営業店システムを順次稼働させ、2021年12月までに傘下のりそな銀行と埼玉りそな銀行の約450店に導入する予定だ。投資額は百数十億円になる。さらにグループの関西みらい銀行やみなと銀行への展開も視野に入れる。

りそなホールディングスは2021年4月から営業店システムを刷新する
りそなホールディングスは2021年4月から営業店システムを刷新する
(撮影:日経クロステック)
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 新システムの特徴は、これまで専用端末で処理していた業務について、量にして7割をタブレットや着脱可能なパソコンでこなせるようにした点にある。これにより約7000台ある専用端末を半分以下に減らせると見込む。専用端末で処理する必要がある残り3割の業務については縮小していく方針だ。

複数ツールを比較検討、開発標準も策定

 新システムはオープンシステムであり、OSにLinuxを、DBMS(データベース管理システム)にオープンソースのPostgreSQLを採用している。新システムの端末側で操作するWebアプリケーションの開発に当たっては、南米ウルグアイのIT企業であるGeneXus(ジェネクサス)のローコード開発ツール「GeneXus」を採用した。

 GeneXusはデータ項目や入出力のルール、画面表示などの設計情報を入力すると、テーブル定義や、Java、.NETといったソースコードなどを自動生成する。業務の手順を順不同で入力してもつじつまが合うように組み立てる。りそなHDも口座開設や普通預金振替など約150種類の取引を担うJavaアプリケーションを自動生成した。

 なぜGeneXusだったのか。りそなHDは最終的に3種類のローコード開発ツールを比較検討し、「OSのメジャーバージョンアップなどに対して差分を吸収してくれる」(りそなHDの片山光輝プロセス改革部長)点などを評価して、GeneXusを採用した。

 NTTデータとりそなHDが共同出資するNTTデータソフィアを中心に、2019年6月からGeneXusのPoC(概念実証)を開始。新システムへの適用可否や生産性を見極めたうえで、2019年秋からGeneXusを使ったシステム開発を本格的に始めた。開発期間は7カ月間。これは従来の開発実績から試算した想定工期の半分以下だった。

 生産性を高められた理由の1つには、NTTデータとNTTデータソフィアがGeneXus用の開発標準を共同で策定したことがある。NTTデータの中村春幸第一金融事業本部金融ITマネジメント事業部営業統括部長は「経験の浅い技術者でも一定のルールに基づいて開発できるようにした」と狙いを話す。