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 キヤノンメディカルシステムズと医療サービスの設計・開発を手掛けるSansei(横浜市)は、1日最大2000件程度の新型コロナウイルス感染検査が可能なコンテナを開発した。処理件数の多さと移動が可能な特徴を生かして、一時的に大量の検査が必要になる大規模なスポーツ大会や港湾施設などでの需要を見込む。東京オリンピック代表選手の最終選考会を兼ねたスポーツ大会での利用が決まっており、「その後の東京オリンピック・パラリンピックでの利用も期待している」(キヤノンメディカルシステムズの担当者)という。

検体採取用(左)と検査ラボ用(右)の2種類のコンテナトラックで構成する
検体採取用(左)と検査ラボ用(右)の2種類のコンテナトラックで構成する
(撮影:日経クロステック)
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 検査用コンテナは、検体採取用と検査ラボ用の2種類のコンテナトラックで構成する。検体採取用コンテナには8つの小部屋がある。各部屋で採取した検体を検査ラボ用コンテナに運び、前処理を経て測定を開始する。前処理を含めた測定時間は約30分。同時に96検体を処理できる測定装置を2台用いた場合、検体採取や装置のクールダウンの時間などを考慮すると、1日8時間で最大2000件程度の検査が可能になるという。

検査のフロー
検査のフロー
(撮影:日経クロステック)
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 2021年4月下旬からレンタルと販売を開始する。レンタル料は1000検体の場合に500万~1000万円になる。販売価格は仕様によって異なるが5000万円程度になる見込みだ。本格運用に先立ち、4月16日から18日までパシフィコ横浜で開催された医療機器の展示会「2021国際医用画像総合展(ITEM2021)」で検査用コンテナを設置し、キヤノンメディカルシステムズの説明員など約100人を検査した。説明員の検査の様子を基に、検査用コンテナの特徴を見ていこう。

検体採取用コンテナにはカメラを設置

 検査用コンテナは、受け付けや検査など合計5人程度の人員で運用することを想定している。被検者は事前に登録を済ませておき、スマートフォンの画面に表示されたQRコードを受付で提示して本人確認する仕組み。受付を済ませると検体採取容器を受け取り、検体採取用コンテナの小部屋に向かう。

スマートフォンの画面に表示されたQRコードを受付で提示する
スマートフォンの画面に表示されたQRコードを受付で提示する
(撮影:日経クロステック)
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 検体採取用コンテナの8つの小部屋はトイレの個室程度の大きさで、小さな椅子や机が設置してある。被検者が中に入ってドアを閉めると、ドアの上のランプが赤く点灯して在室を知らせる。不正を防ぐために、各部屋にはカメラを設置しているという。椅子に座って唾液を検体採取容器に入れた後に、容器を置いて外に出る。小部屋は廊下とつながっており、係員が検体採取容器を回収して検査ラボ用コンテナに運ぶ。

被検者が検体採取用コンテナの小部屋に入ってドアを閉めると、ドアの上のランプが赤く点灯する
被検者が検体採取用コンテナの小部屋に入ってドアを閉めると、ドアの上のランプが赤く点灯する
(出所:日経クロステック)
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