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 健康機器を開発・販売するオムロンヘルスケアは2021年3月23日、スポーツリカバリー向けの低周波治療器「HV-F080シリーズ」(価格:税込み2万2800円)を発売した。スポーツをしている40~50歳代の人たちを対象に、スポーツ後の筋疲労や関節痛を自宅でケアすることを目的とした機器である。

オムロンヘルスケアが21年3月23日に発売した、スポーツリカバリー向けの低周波治療器「HV-F080シリーズ」
オムロンヘルスケアが21年3月23日に発売した、スポーツリカバリー向けの低周波治療器「HV-F080シリーズ」
(写真:オムロンヘルスケア)
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 低周波治療器は、筋肉に微弱な電流を流して収縮と弛緩(しかん)を繰り返すことで血行を促進、血液中の老廃物の排出を促す機器である。もともと人体にはごく弱い電気が発生しており、外部からの電気的な刺激に対して敏感に反応する性質が備わっている。低周波治療はその性質を利用する。同社は従来、主に肩こりや腰痛を抱えるシニア層をターゲットに製品を販売していた。

 ところが、低周波治療はそのマッサージ効果によってスポーツ後の筋疲労回復や筋肉痛を緩和する効果があることから、同社はスポーツをしている人向けのコードレス低周波治療器「HV-F601T」を18年11月に発売した。今回発売したHV-F080は、HV-F601Tの改良版という位置づけである。プロアスリートの運動後のコンディショニングケアなどに広く使われているマイクロカレントなど基本機能はそのままに、パッドの形状などを改良した。

 新製品の開発にあたって役立ったのが「アスリートの声」である。低周波治療がスポーツ後のケアに効果があることは分かっていたが、「実際にアスリートがどのように、どの部位に使うのかは分かっていなかった」(国内事業本部事業戦略部商品企画課の片山頌子氏)。そこで同社が頼ったのが、ラグビー日本代表など多くのスポーツチームに対して、クラウド型のコンディション管理サービス「ONE TAP SPORTS」を提供しているユーフォリアである。

 ONE TAP SPORTSは、選手が主観的に体調・コンディションやトレーニング内容を評価して数値化し、それを基に負荷などを計測するツールである。具体的には、「強度(きつさ)」などの項目に対して、選手が横線バーを感覚的にタッチして10段階でスコア化。それをクラウド上に収集し、集計結果やそのグラフをコーチやトレーナーが共有したり、選手自身が確認できたりする。

 同ツールは、15年のラグビーワールドカップで活躍した日本代表が使っていたことでその存在が広まり、現在では71競技、日本代表26チームを含む1700チーム以上に対してサービスを提供している。トッププロからハイアマチュア、エントリー層まで、日本で最もスポーツの現場を良く知る企業の1社と言える。

 ユーフォリアはONE TAP SPORTSの事業を展開するなかで、多くの企業からスポーツチームとともに共同研究や製品の有用性を検証したいという要望を受けており、実際にユーフォリアが媒介となって、様々なプロジェクトを動かしてきた。

 企業にとって、ユーフォリアの魅力は、プロからアマまで幅広いスポーツチームを顧客として抱えていることと、ONE TAP SPORTSを通じて、例えば「ケガを減らしたい」「全国大会で優勝したいので最高のコンディションに持っていきたい」など各チームの課題を把握している点である。このため、企業の検証におけるニーズに合致したスポーツチームを紹介できる。「マッチングの精度が高いのが強み」と同社 代表取締役 Co-CEOの宮田誠氏は言う。

 ユーフォリアによれば、顧客の1700チームのうち、プロ以外では大学チームが62%、高校が5.4%、中学が1.3%、一般のクラブチームが3.6%などアマチュアチームを数多く顧客に抱える。「プロスポーツクラブなら窓口は簡単に探せるが、大学生や高校生の強豪チームにアクセスするのは難しい」(宮田氏)。