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 JTBは2021年4月7日、バーチャル空間上で日本を再現し、観光やショッピングを楽しめるコンテンツを提供するサービス「バーチャル・ジャパン・プラットフォーム」事業を開始すると発表した。大手旅行事業者がVR(仮想現実)に参入するという新しい取り組みだが、発表から間もなくしてSNSでは「グラフィックスが『初代プレステ』レベル」と話題になった。

 初代プレステとはソニー・コンピュータエンタテインメント(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)が1994年に発売した家庭用テレビゲーム機「PlayStation」のこと。20年以上前のゲーム機ほどの画質でしかないと評されたのだ。JTBは発表に合わせて、バーチャル・ジャパン・プラットフォーム上の風景などを紹介する動画をYouTube(ユーチューブ)に公開した。そこに登場した人物や背景は平面を組み合わせたようなグラフィックスで、なめらかさに欠けていた。

 このグラフィックスで日本各地の「バーチャル旅行」を楽しむのは難しいだろう。Googleマップを使ったほうが、各地の風景を写真で楽しめて旅行気分を味わえる。JTBはバーチャル・ジャパン・プラットフォームをどのように使い、どんなビジネスを描いているのだろうか。

目指すは「交流の場」

 JTBは「人流に依存しない交流の形をバーチャル・ジャパン・プラットフォームで構築する」(同社広報)という。人流とは人々が物理的に移動すること。バーチャル・ジャパン・プラットフォームなら自宅にいながら、様々な場所に移動してそこで出会った人と交流できる。これがサービスの狙いだというのだ。

 ユーザーが現地の人々や他のユーザーと交流することを想定している。具体的にはチャットを使ってコミュニケーションを取る。交流が目的なので、写真のような精細なグラフィックスは不要だ。ユーザーが動物になりきって他のユーザーと交流するテレビゲーム「どうぶつの森」のようなイメージだろう。

「バーチャル・ジャパン・プラットフォーム」のデモ画面
「バーチャル・ジャパン・プラットフォーム」のデモ画面
(出所:YouTube「JTB公式 official」チャンネル)
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