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 個人情報保護委員会は2021年4月23日、LINEアプリ利用者の個人情報がLINEの中国関連会社から閲覧できた問題で、同日付でLINEに行政指導をしたと発表した。個人情報にアクセスできた業務委託先に対するLINEの監督が不十分であり、改善の必要があると判断。LINEに対して改善の経過を1カ月後に報告するよう求めた。

LINEへの行政処分を発表した個人情報保護委員会の松本秀一監視・監督室長
LINEへの行政処分を発表した個人情報保護委員会の松本秀一監視・監督室長
(撮影:日経クロステック)
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 行政指導をした一方で、より重い処分である是正勧告は出さなかった。委託先からの個人情報漏洩といった法令違反は認められなかったためだ。

 加えて、LINEが利用者に同意を求めるセキュリティーポリシーについても行政指導や是正勧告をしなかった。LINEはデータを移転する可能性がある外国として韓国などの具体的国名を明記していなかったものの、「パーソナルデータを第三国に移転することがある」と外国の第三者にデータを提供する可能性そのものは明記していたため、個人情報保護委員会は「現行法で問題ない」と判断した。

 LINEは2021年3月23日に開いた会見で出沢剛社長が「我々の説明がミスリーディングだった。プライバシーポリシーについても同様で、反省すべきだと思っている」として、外国の委託先企業で個人情報を取り扱っている事実に関する説明が不十分だった点を謝罪した。

中国委託先から個人情報にアクセスできた問題で謝罪するLINEの出沢剛社長(中央、2021年3月23日)
中国委託先から個人情報にアクセスできた問題で謝罪するLINEの出沢剛社長(中央、2021年3月23日)
(撮影:日経クロステック)
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 一方で、舛田淳取締役は「運営業務の委託先、データのモニタリング業務の委託先については我々がセキュリティー環境やモニタリングツールをセットアップし、利用教育も施してきた。私たちとしては適切なガバナンスを効かせてきたと思っている」と話した。委託先で十分な安全管理措置を取っており、個人情報の取り扱いそのものに問題はなかった旨を主張したわけだ。

 このLINEの自己評価を個人情報保護委は一部否定した。委託先の監督が不十分だったと指摘した点は3つある。