全2380文字
PR

市場で実績や経験も蓄積

 ところで、中国製EVには品質や性能の面で問題はないのか――。この点については、飯塚氏は次のように語る。「中国製EVは、日本のクルマと比較しても乗って遜色のないレベルになっている。ドアの立て付けなどには、ざっくりとした感じはあるが、走行性能は逆に上かもしれない」。

 ちなみに今回のEVについては、21年3月から実証実験・走行テスト・機能検証などを実施し、同年8月に仕様を決定、同年9月から量産を開始する予定だ。納車は22年9月から順次進めていく予定で、当面は並行輸入という形での導入となる。ただし、型式認証の取得も目指すという。

 変更の可能性はあるが、現時点で公表されている同EVの仕様は、次の通りだ。車両寸法は全長3395×全幅1475×全高1950mm、最大積載量は350kg、乗車定員は2人、最高速度は100km/h、充電1回当たりの航続距離(以下、航続距離)は200km以上、タイヤサイズは145/R12としている。装備については、衝突被害軽減ブレーキ、後退時被害軽減ブレーキ、バックソナー、バック・アイ・カメラ、自走事故防止装置、ドライブレコーダー、運行データ・車両データクラウド管理、ウエアラブル端末による健康管理、タブレットナビ、太陽光発電パネル、台車収納スペースなどを予定している。

 航続距離を200km以上としたのは、軽商用バンで配送するのは主に都道府県内で、200kmあれば十分だからだとする。軽商用バンによる配送業務の1日当たりの平均走行距離は、首都圏では80~100kmとのことだ。

 中国では、上汽通用五菱汽車が20年7月に発売した最低価格2万8800元(1元=16.6円換算で約47万8080円)の格安EV「宏光MINI EV」が人気を呼んでいる。航続距離は120kmで、エアコンもオプションと価格を抑えるための割り切りもあるが、その実用性は中国の地方部では評価されていると言ってよさそうだ。今回の佐川急便のEVを生産する予定の広西汽車集団は、上海汽車集団や米General Motors(ゼネラル・モーターズ、GM)と共に、宏光MINI EVのメーカーである上汽通用五菱汽車に出資している。