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 レジなどの機器製造を手掛ける寺岡精工は2021年5月下旬をめどに、量り売り棚システム「All-in-One Rack」の国内販売を始める。重力センサーや無線自動識別(RFID)タグをフル活用し、スーパーやコンビニで無人のセルフ量り売りコーナーを設置・運用しやすくする。

 消費者が必要な商品を必要な分だけ買える量り売りは、近年の環境意識の高まりを背景にローソンなど大手小売りが導入を加速させている。そうした消費者ニーズの変化を商機と捉え、一挙に普及を図る。

はかりやディスペンサーなど量り売りに必要な機器がセットになっている。容器に貼ってある緑色のラベルがRFIDタグだ
はかりやディスペンサーなど量り売りに必要な機器がセットになっている。容器に貼ってある緑色のラベルがRFIDタグだ
(撮影:日経クロステック)
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 All-in-One Rackは、はかりや商品を貯蔵・排出するディスペンサー、「e.Sense」と呼ぶ500円玉大の重力センサーモジュールなどで構成する。e.Senseは2.4ギガヘルツ帯の通信モジュールを内蔵しており、ディスペンサーのふたやレバーなどに取り付けておく。

 消費者がディスペンサーから商品を取り出す動きを重力センサーで検知すると、取り出された商品を無線通信で本体に通知。はかりに商品が載せられると、その商品の情報を自動でタッチパネルに表示し消費者に確認を促す。確認後、商品名や重さ、価格などを記載したバーコードシールを発行する。消費者は商品とバーコードシールを持ってレジで精算する。

 これまで、消費者によるセルフ計量で量り売りコーナーを展開する場合、消費者がタッチパネルなどで購入する商品を選ぶ必要があり、価格の異なる商品を選んで会計してしまうミスが起こりやすかった。

 商品名を自動入力とすることでそうしたミスを減らし、セルフ計量を実現しやすくした。「容器に商品を詰めるところからバーコードシールの発行までを利用者の操作のみで完結できるため、店舗は従業員を配置せずに済む」と寺岡精工の渡辺直浩執行役員スケール・メディアソリューション事業部事業部長は説明する。

無線通信モジュール一体型の重力センサー「e.Sense」。商品を取る動きを検知してはかりへ通知し、消費者が商品名を選択する手間を省く
無線通信モジュール一体型の重力センサー「e.Sense」。商品を取る動きを検知してはかりへ通知し、消費者が商品名を選択する手間を省く
(出所:寺岡精工)
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 All-in-One Rackは13.56メガヘルツ帯のRFIDタグにも対応。消費者がマイ容器を利用する場合、事前に容器の重さを登録したRFIDタグ付きのシールを貼ってもらう。そうすることで次回以降、計量時にRFIDタグのデータを読み取り、容器の重さを自動で差し引きする。

 さらにAll-in-One Rackは電子棚札もセットで販売する。はかりのタッチパネルで商品名やグラムあたりの単価などを登録すれば、それに連動して電子棚札の表示も切り替わる。手作業で値札を作る手間を減らし、値札とはかりに登録した情報の食い違いによる料金計算のミスも防げる。