全1589文字
PR

 人工知能(AI)を用いた問診システム「AI問診ユビー」を展開するUbie(ユビー、東京・中央)は、AI問診の価値の最大化に向けて動き出した。AIによる問診結果の分析で遺伝性希少疾患の早期発見を支援することを⽬指し、同疾患向けの医薬品を手掛ける武田薬品工業と2021年4月21日に協業を開始。進化した問診で医師の診察を支援し、患者が適切な医療を受けられるよう手助けする。

タブレット端末などを使いWeb上で問診ができる
タブレット端末などを使いWeb上で問診ができる
(出所:Ubie)
[画像のクリックで拡大表示]

 Ubieのプラットフォームは医療機関向けのAI問診ユビーの他に、一般生活者向けの「AI受診相談ユビー」で構成される。タブレット端末やスマートフォンで自身の症状に関する質問に答えると、回答に合わせてAIが次の質問を提示し、症状に当てはまる疾患を絞り込んでいく仕組みだ。最終的には関連がある疾患のリストや付近の病院情報などが表示される。

 武田との提携では、このプラットフォームを希少疾患の早期発見に応用する。希少疾患は罹患(りかん)率や認知度の低さから、発症しても医師が正確な診断を下せない場合がある。問診結果をAIで分析することで、認知度などに左右されずに参考となる疾患を提示でき、希少疾患の早期発見に役立つことが期待される。

 今回対象とする遺伝性血管性浮腫(HAE)は世界で5万人に1人が罹患しているとされる遺伝性の希少疾患だ。日本国内には2000~3000人の患者がいると推定されているが、診断を受けているのは約450人にとどまる。また日本では、初めてHAEの発作が起きてから診断が確定するまでに平均で13.8年かかるといわれており、未診断の潜在患者が数多く存在するといった問題がある。

「AI受診相談ユビー」でHAEに関連する症状が見られた場合のイメージ
「AI受診相談ユビー」でHAEに関連する症状が見られた場合のイメージ
(出所:Ubie)
[画像のクリックで拡大表示]

 医療機関向けのAI問診ユビーでは、HAEに関連する症状がある場合、医師が問診結果を確認する画面にHAEを含む血管性浮腫の詳しい情報を掲載する。医師の問診を支援することで、見落とし防止につなげる。一般生活者向けのAI受診相談ユビーでHAEに関連する症状がある場合は、武田が運営するHAEの情報サイトへのリンクを表示し、疾患啓発を行う。生活者の医療リテラシーが向上すれば、適切な診療科を受診し治療を受けられる可能性が高まる。