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 デンソーは、先進運転支援システム(ADAS)向けの新型センサーを開発した。従来品よりも性能を向上させたLiDAR(レーザースキャナー)や、遠方と近距離の両方に対応する2眼カメラである。両製品はこのほど、トヨタ自動車の高度運転支援システム「Advanced Drive」に採用された。これらの最新センサーなどを武器にして同社は、ドイツのBosch(ボッシュ)やContinental(コンチネンタル)などの海外メガサプライヤーに対抗する。

 デンソーはこれまで、トラック向けや乗用車向けのLiDARを製品化していた。今回開発した新型LiDARは、乗用車向けの従来品(以下、同じ)に比べて検知距離を2倍以上(200m以上)、水平検知角を3倍以上(120度)に拡大した(垂直検知角は約10度で、従来品と同じ)。検知距離と水平検知角は、「世界最高水準」(同社)と言う(図1)。

デンソーの新型LiDAR
図1 デンソーの新型LiDAR
平面ミラーをモーターで動かす「メカニカル式」で、使用するレーザーの波長は870nmの近赤外線である。(出所:デンソー)
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 新型LiDARは平面ミラーをモーターで動かす「メカニカル式」で、使用するレーザーの波長は870nmの近赤外線である。水平検知角を広げたことで、前方の広い範囲を検知できるようになった。検知距離を伸ばしたことで、より遠方の車両を見つけやすくなった。

 検知距離を伸ばすための第1の工夫は、発光用デバイスの高出力化である。レーザーダイオードの出力を従来品の3倍に高めた。第2の工夫は、受光素子の感度を高めたことである。従来品の20倍に高感度化した。バックグラウンドの光ノイズを低減するといった対策によって、高感度化を実現した。

 水平検知角を広げるためにLiDAR内部の設計を変更し、平面ミラーを左右に広く振れるようにした。従来品は先行車追従(ACC)向けだったため、水平検知角は36度に設定していた。デンソーAD&ADAS技術2部で第2技術室担当次長の森川勝博氏は、「新型LiDARでは設計を変更し、120度まで振れるようにした」と言う(図2)。

新型LiDARの検知イメージ
図2 新型LiDARの検知イメージ
従来品に比べて検知距離を2倍以上、水平検知角は3倍以上に拡大した。(出所:デンソー)
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