全2022文字
PR

 ホンダが交換式2次電池パック(以下、交換式電池パック)で新構想を打ち出した。新たなコンセプトの交換式電池パック「Honda Mobile Power Pack e: Prototype」を開発。電池容量を既存品から1.3倍の1.3kWhに高め、搭載する電動バイク(以下、EVバイク)の航続距離の延長を狙う。市場投入の時期は未定。オンライン開催の「人とくるまのテクノロジー展2021オンライン」(2021年5月26日~7月30日)に関連製品と共に出展した。

ホンダが出展した交換式電池パックの新構想
ホンダが出展した交換式電池パックの新構想
(a)交換式電池パックの新構想「Honda Mobile Power Pack e: Prototype」、(b)新構想の電池パックを充電して保管する交換ステーション。2021年3月の環境エネルギー系展示会で披露したものを「人とくるまのテクノロジー展2021オンライン」でも出展した。(出所:ホンダ)
[画像のクリックで拡大表示]

既存の交換式電池パックと活用例
既存の交換式電池パックと活用例
(a)既存の交換式電池パック「Honda Mobile Power Pack」と、実証実験に活用した交換ステーション、(b)搭載車「BENLY e:(ベンリィ イー)」の試作モデル。(撮影:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 交換式電池パックは、充電済みのものを乾電池のように入れ替える仕組み。交換時間は短いケースで10秒未満。EVの弱点とされる充電時間、すなわち車両の非稼働時間を大幅に減らせる。1個の交換式電池パックを多用途で使いまわせばコストに優れる上、環境にも良い。

 ホンダはこれらの利点に着目し、2018年11月にリース販売を始めたEVスクーター「PCX ELECTRIC」で交換式電池パックを初採用。今では商用EVスクーター「BENLY e:(ベンリィ イー)」シリーズを中心に適用を広げつつある。各車、座席下に交換式電池パックを2個搭載できる。

 既存の交換式電池パック「Honda Mobile Power Pack」は、電池容量が約1kWhで、質量が約10kgである。安全基準を比較的クリアしやすい電圧48V系を採用し、直列に2個つないで96V系の2次電池システムを構築する。寸法は実測値でおよそ全長145×全幅170×全高300mm。パナソニックから調達した円筒型のリチウムイオン2次電池セルで構成していた。

既存品との互換も視野

 新構想の交換式電池パックの質量は10.3kgが公表値だ。寸法は全長156.3×全幅177.3×全高298mm。すなわち、質量は既存品と同水準を維持し、全長と全幅がわずかに大きくなったとみられる。「(既存品と)互換性を持たせる方向で現在開発中」(ホンダ)で、既存車でも使えるように寸法の変更は最小限に抑えている。定格電圧は50.26V、連続放電出力は2.5kWである。

 将来的には、複数の交換式電池パックを自動で充電して保管しておき、交換時に引き出す「交換ステーション」での運用も想定している。交換式電池パックのシェアリングということだ。台湾では広く普及する運用方式であり、現地の技術ベンチャーであるGogoro(ゴゴロ)が先行して取り組む。