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 「新工場の稼働で、『パーソナライズ栄養改善サービス』に欠かせないスマートファクトリーの実現に一歩近づいた。これを機にユーザー数を一気に増やし、企業とのアライアンスや世界展開を加速させていく」(ユカシカドの美濃部慎也代表取締役兼CEO)――。

新工場の前で撮影に応じるユカシカドの美濃部慎也代表取締役兼CEO
新工場の前で撮影に応じるユカシカドの美濃部慎也代表取締役兼CEO
(撮影:日経クロステック)
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 前沢友作氏が代表を務める前沢ファンドから出資を受けて注目を集めるベンチャー企業のユカシカド(東京・渋谷)は、長野県松本市に建設していた新工場の本格稼働を2021年6月1日に開始した。同社は尿を検査して利用者の栄養摂取状況を把握し、一人ひとりに合わせたサプリメントを製造したり、専用アプリを通じてアドバイスを提供したりするパーソナライズ栄養改善サービスを手掛けている。これまでに蓄積した数十万件分の尿検査データが強みだ。

パーソナル栄養検査キット「VitaNote」。利用者は尿と安定剤を混ぜて郵送する
パーソナル栄養検査キット「VitaNote」。利用者は尿と安定剤を混ぜて郵送する
(撮影:日経クロステック)
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 新工場では、全国から届く利用者の尿の検査から、サプリメントなどの製造までを担う。利用者ごとに異なるサプリメントを製造する少量多品種生産を低コストで実現するために、各地に分散していた工場を集約すると同時に自動化による効率向上を目指した。

 「パーソナライズとスマートファクトリーは切っても切れない関係だ。デジタル技術を駆使して生産効率を高めるスマートファクトリーを実現する」(美濃部氏)。現在はまだ自動化の途上で人手に頼る工程も残るが、徐々に自動化の比率を高めていく。

ユカシカドは前沢ファンドから出資を受けた。左からユカシカドの美濃部慎也代表取締役兼CEO、前沢ファンドの前沢友作代表取締役
ユカシカドは前沢ファンドから出資を受けた。左からユカシカドの美濃部慎也代表取締役兼CEO、前沢ファンドの前沢友作代表取締役
(出所:ユカシカド)
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 前沢氏が創業したZOZO(旧スタートトゥデイ)も、体形を計測できる「ZOZOSUIT」を活用して、利用者ごとに適した製品を提供することを目指した。前沢氏と何度も面談を重ねた美濃部氏は、出資に至った理由について「『投資の際は経営者を見ている』と言われたが、何がポイントになったのかは分からない。恐らく、一人ひとりに合わせた製品を提供する我々の事業に、ZOZOSUITなどの開発で得た知見を生かせると判断したのではないか」と分析した。

 前沢ファンドからの出資額は非公開だが、ユカシカドが2021年1月に発表した資金調達では、前沢ファンドなどを引受先とする第三者割当増資と日本政策金融公庫からの融資を合わせて約15億円を集めたとしている。