全2123文字

ガラス不足の背景は?

 中国・新疆ウイグル自治区の強制労働への対応のほかにも、実は問題がある。それはガラス材料の不足だ。ミンツ氏によると、太陽光パネルの表面を覆うカバーガラスの材料が不足し価格が高騰したことで、パネルの生産に遅れが生じているという。

 太陽光パネル用のガラス不足は、中国のガラスメーカーが生産能力を増強しているにもかかわらず、太陽光発電産業の成長を阻害するボトルネックとなっている。

 中国は、太陽光パネル向けガラスを生産する能力の、実に90%を保持しており、世界的なガラス不足の背景には、両面ガラス型パネルの需要増や、ガラス生産能力の増設に対する中国政府の制限も、追い打ちをかけたようだ。

 ミンツ氏は、「両面ガラス型の太陽光パネルは、近年上昇トレンドがあったにも関わらず、ガラス製造産業も、この急速な需要拡大を十分に準備していなかった」と指摘する。2000年代初期に世界的なポリシリコンの不足で、太陽光産業は苦い経験をしたにも関わらず、当時の教訓を生かせず、対応が後手に回ったと分析する。

 「ガラス価格が上昇し、2021年第3四半期までガラスの生産能力が逼迫しているため、パネルメーカーは価格の上昇に直面し、そのコストを顧客に転嫁せざるを得ない」とミンツ氏は見ている。さらに、「ポリシリコン産業は、何年にもわたってコストを下回る価格設定を強いられたが、ポリシリコンの価格は劇的に上昇しており、おそらく2022年にまで価格が下がる可能性は低い。 ガラス価格上昇と同じように、パネルメーカーはポリシリコンの価格上昇を顧客に転嫁することになる」と、川下市場でのパネル価格上昇を予測している。