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 「人工知能(AI)を開発するには外部との協業が必要だが、ITベンダーに丸投げしてはだめだ。精度向上に貢献しないデータを特定することにさえ、ビジネスにおける価値がある場合がある」。日本マイクロソフトが2021年5月19日と20日の2日間にわたって開催したオンラインイベント「Azure AI Days」で講演した、ニコンの西野峰之研究開発本部数理技術研究所第三研究課課長はこう指摘した。

 西野課長は「今後は(当社のような)製造業でもAIの内製化が必須になる」と話す。ITベンダーにAI開発を丸投げしていてはノウハウを蓄積できず、いつまでたっても内製化に舵(かじ)を切れない。そこで、AIの開発プロセスを大きく「データの収集・分析」と「機械学習・運用保守」に分けて考えたとき、前者は業務知識が必要なので自社で行う。後者についても、ITベンダーに知識やノウハウを教わりながら自社で行う態勢が理想だという。

サンプルデータを活用してジールがモデルの「ひな型」を開発し、実データの分析や学習はニコンが担当する
サンプルデータを活用してジールがモデルの「ひな型」を開発し、実データの分析や学習はニコンが担当する
(出所:ニコン)
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 ニコンはBI(ビジネスインテリジェンス)専業のITベンダーであるジールと組んで、需要予測モデルの開発に取り組んでいる。そこでは、ジールに委託するのは技術検証の工程である「サンプルデータを使ったモデルのひな型の開発」にとどめ、実データによるモデル開発は自社主導で進めているという。