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先端ロジック半導体を国内で製造するのか

 このほか報道機関向け説明会では、先端半導体の製造に対する方針に関する質問が報道機関から相次いだ。経済産業省主導によりソニーグループが台湾TSMCと合弁で先端半導体工場を国内に設立する構想があると、21年5月に日刊工業新聞が報じてから、一気に注目されるようになった。

 ソニーのイメージセンサーは主に画素部とロジック回路部で構成されている。それぞれを別工程で製造し、ウエハー同士を張り合わせてイメージセンサーに仕立てる。このうち、より先端のプロセスが必要なのはロジック回路部である。現在、同回路部の一部をソニー自らが製造するものの、大部分をファウンドリーに委託している。ソニーのイメージセンサーのロジック回路部は、主に40n~55nm世代のプロセスで製造されているという。いずれ微細化が進み、20nm世代になる見込み。だが、ソニーが有する量産実績のある製造技術は、据え置き型ゲーム機「PlayStation 3」向けプロセッサー「Cell」を製造していた40nm世代まで。すなわち、現状のままで20nm世代以降になると、すべてをファウンドリーに委託することになる。すると、半導体の安定調達の面で懸念が高まる。そのため経済安全保障上、日本国内に20nm世代以降の半導体工場が存在するのが望ましい。

 こうした背景から、ソニーの20nm世代以降のロジック回路部の製造についてどのような考えを持っているのか、報道機関から質問が相次いだわけだ。それに対する清水氏の回答をまとめると以下になる。

 20nm世代以降の製造プロセスを自前で構築する場合、技術開発や製造設備の減価償却などの面でハードルが高い。そのため、外部からの技術援助や資金援助がない限り、ソニー自らがゼロから20nm世代以降の前工程の半導体工場を建てることを考えていないという。一見、先端半導体の国内工場設立に否定的だが、技術と資金の援助があればやぶさかではない、とも捉えられる。公的資金の援助を受けて、TSMCと合弁で20nm世代以降の前工程の半導体工場を国内に設ける道は残っているといえそうだ。