全1755文字
PR

 ダイキン工業は2021年6月7日、新中期経営計画(新中計)「FUSION25」を発表した。3つの成長戦略テーマを掲げ、25年度に売上高を3.6兆円、営業利益率を約12%に引き上げる。同社の20年度の売上高は約2.5兆円で、営業利益率は9.6%だった。従って、新中計の5年間で売上高を1兆円伸ばしつつ、営業利益率を2.4ポイント引き上げて、一層の高収益体質を目指すことになる。

ダイキン工業代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)の十河政則氏
[画像のクリックで拡大表示]
ダイキン工業代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)の十河政則氏
新中計「FUSION25」を発表した。(出所:日経クロステック。オンライン会見のキャプチャー画像)

 設定した成長戦略テーマは、[1]カーボンニュートラル(温暖化ガスの排出量実質ゼロ)への挑戦、[2]顧客とつながるソリューション事業の推進、[3]空気価値の創造、である。これらの3テーマで5000億円の売り上げ増を狙う。新中計で目指す売り上げ拡大の1兆円のうちの約5割を占める計算だ。なお、残りの約5割は既存事業で伸ばす。

3つの成長戦略テーマで5000億円の売り上げ拡大を狙う
[画像のクリックで拡大表示]
3つの成長戦略テーマで5000億円の売り上げ拡大を狙う
残りの5000億円は既存事業で伸ばす。(ダイキン工業の資料を基に日経クロステック作成)

 これらの成長戦略を実現するために、積極的な投資も実行する。具体的には、新中計の5年で1兆5000億円以上を投じる考えだ。このうち23年度までの3年間までに8000億円を超える費用を投資する計画を同社は立てている。

カーボンニュートラルに研究開発費の4割

 [1]のカーボンニュートラルへの挑戦では、まず19年度を基準年に設定し、未対策のまま事業が成長した場合の排出量と比べて、二酸化炭素(CO2)の実質排出量(排出量-排出削減貢献量)を25年度に30%以上、30年度に50%以上の削減を目指す。このカーボンニュートラルへの対策に、ダイキン工業は「研究開発費の40%を割く」(同社)考えだ。その上で、以下を実行していく。

2050年カーボンニュートラル実現に向けたCO<sub>2</sub>の削減目標
[画像のクリックで拡大表示]
2050年カーボンニュートラル実現に向けたCO2の削減目標
最もCO2の排出量が多かった19年度を基準に、25年度に30%以上、30年度に50%以上の削減を目指す。(出所:ダイキン工業)

・開発・生産工程における、エネルギー起源のCO2と代替フロン〔ハイドロフルオロカーボン(HFC)、パーフルオロカーボン(PFC)〕の排出を削減する
・グローバル全域で家庭用エアコンのインバーター化を高め、省エネ機器で他社をリードする
・欧州と北米を中心に暖房・給湯器に関して燃焼式からヒートポンプ式へのシフトを加速する
・冷媒に起因するCO2の排出削減につながる対策を進めて環境分野や業界をリードする
・スマートシティーや「創エネ」など、市場拡大とCO2の削減が見込める環境分野の新事業に挑戦する
・CO2の分離、回収、再利用に関する先端技術をリサーチ、もしくは獲得する