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 「(診療報酬において)『デジタル治療』という新規の項目を作成すべきだ」(CureAppの佐竹晃太 最高経営責任者・CEO)――。治療用アプリを日本で初めて実用化したCureApp(東京・中央)の佐竹CEOはソフトウエアを活用した診療報酬に関してこう指摘する。2021年6月2日に開催された、産官学が医薬品や医療機器の開発や評価などに関して議論する「レギュラトリーサイエンス学会WEBシンポジウム」で講演し、今後の保険適用に向けて2つの提言をした。

講演するCureAppの佐竹晃太 最高経営責任者(CEO)
講演するCureAppの佐竹晃太 最高経営責任者(CEO)
(講演中の画面を日経クロステックがキャプチャー)
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 医療機器を開発販売する企業にとって、医療機器を活用した診療行為に対する診療報酬の内容は非常に重要だ。販売する医療機器の利用拡大と企業の売り上げに関わるためである。これまで治療用アプリなどを開発する企業は、それを活用した治療に対する診療報酬について先行きが見通せず、事業に踏み出せない現状があった。

 厚生労働省は21年3月、治療用アプリを含むプログラム医療機器の診療報酬上の評価について検討を始めることを表明。中央社会保険医療協議会(中医協)傘下の会議体が、22年度の診療報酬改定に向けた議論に合わせて21年12月末をめどにプログラム医療機器への対応を取りまとめる予定だ。今回の佐竹CEOの提言は、こうした動きを踏まえてのものである。

 CureAppは禁煙治療を補助するシステムを販売している。システムは患者が利用するアプリと患者の呼気中CO(一酸化炭素)濃度を測定するCOチェッカー、医師が利用するアプリから構成される。システムを利用した禁煙治療を実施する場合、医療機関は初回の診察での処方時に一括で2540点(2万5400円)を算定する。患者はそれに診療費用や治療薬の処方箋料などを加えた総額の3割を負担することになる。

 禁煙治療は12週間の期間中に5回の診察を実施する。佐竹CEOによる提言の1つは、初回の診察での算定に加えて、残り4回の診察でも毎回、診療報酬を加算すべきだというもの。加算が必要な理由について佐竹CEOはこれまでの医療機器と異なり、治療用アプリは継続的なアップデートと患者からの問い合わせへの対応が必要になることを挙げる。