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 NTTドコモが2021年3月開始の新料金プラン「ahamo(アハモ)」で引き金を引いた携帯電話大手3社の値下げ競争。「第4軸」の楽天モバイルも2021年4月から、月間データ通信量が「1ギガバイト以下は月額無料」の格安プランを繰り出した。

 体力勝負の乱打戦の様相を呈する携帯電話市場において、新プラン投入をてこにどの大手がシェアを伸ばすのかに注目が集まるなか、業界関係者が注目している点がもう1つある。大手に比べ割安感を最大の売りとしてきたMVNO(仮想移動体通信事業者)への影響だ。

ahamoショックは「プラス」

 MVNO大手の一角、イオンリテールは2021年6月10日、MVNOサービス「イオンモバイル」の新プランである「さいてきプラン」について記者説明会を開いた。登壇した井原龍二住居余暇本部イオンモバイルユニットイオンモバイル商品マネージャーは、ahamoが発端となった低料金競争、いわゆる「ahamoショック」について、「プラスの影響もある。これまでMVNOを(選択肢として)見ていなかった顧客層が『もう少し安いサービスもある』とMVNOを意識するようになっている」と、強気の姿勢を見せた。

イオンリテールの井原龍二イオンモバイル商品マネージャー
イオンリテールの井原龍二イオンモバイル商品マネージャー
(出所:イオンリテール)
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 記者発表から遡ること2カ月、2021年4月1日にスタートしたさいてきプランは、従来プランに比べて平均で2割程度値下げしたほか、月間データ通信量や通話機能の有無などに応じて料金メニューを全55種類に細分化したのが特徴だ。例えばデータ専用プランの場合、月間1~10ギガバイトまでは1ギガバイト単位でメニューを選べる。契約者は月々の利用実績に応じて、自身に最適なメニューをきめ細かく調整できるようになったわけだ。

 イオンリテールによれば、値下げに踏み切ったことで2021年4月におけるイオンモバイルの売り上げは前年同期に比べ減少した。それと引き換えに契約獲得数は同40.8%増え、利益を押し上げているという。

 加えて、契約者をデータ通信量について「低容量」のメニューから「中容量」や「高容量」のメニューに移行させる「アップセル」も進んでいるようだ。大手や大手のサブブランドなどに遜色ないサービスとするため、同社は今後5G(第5世代移動通信システム)や、端末上の契約者情報をオンラインで書き換えられる「eSIM」などへの対応を進める計画だ。