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 ホンダは2021年6月24日、全面改良した中型車の新型「シビックハッチバック」を世界初公開した。同社の新たな車両設計・開発手法「ホンダ・アーキテクチャー」を初めて適用した車両である。同手法を適用し、走行性能や衝突安全性能、予防安全性能などの基本性能を高めた。同年秋に日本で発売する(図1)。

シビックハッチバック
図1 新型「シビックハッチバック」
ホンダ・アーキテクチャーを適用した初めての車両で、21年秋に日本で発売する。(撮影:日経Automotive)
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 今回発表した新型シビックハッチバック(以下、新型車)はガソリンエンジン車だが、22年には2モーター式ハイブリッド機構「e:HEV」を搭載するハイブリッド車(HEV)と、スポーツモデルのガソリン車「シビックタイプR」も日本に投入する。

 日本でガソリン車の発売が先行する点について、ホンダ四輪事業本部ものづくりセンターで新型車の開発責任者を務める佐藤洋介氏は、「当初の計画通り」と述べた(図2)。また同社は、「HEVの開発が遅れているわけではない」とする。

佐藤洋介氏
図2 新型車の開発責任者である佐藤洋介氏
「ガソリン車の発売を先行するのは、当初の計画通り」と言う。(撮影:日経Automotive)
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 新型車に適用した新たな開発手法の目的は、車両の設計・開発効率を高めながら、複数の車種を造り分けることである。その考え方は、トヨタの「TNGA(Toyota New Global Architecture)」などに似る。車両を「部品の共有領域」と「車種ごとの個性領域」に分けて部品の共通化率を高め、開発工数を減らす。

 新型車では、パワートレーンやプラットフォーム(PF)、インストルメントパネル周り、E/E(電気/電子)プラットフォームなどが部品共通化の対象になる。ホンダは今回の新型車を手始めに、これから全面改良する他の中型車にも同手法を適用し、中型車全体の開発工数を25年までに、従来の手法に比べて30%減らすことを目指す。

新たな開発手法に基づくPFを適用

 こうした新たな手法に基づいて開発したPFでは、前席乗員の着座位置からインパネまでの間隔を固定領域とした。アッパーボディーを含むその他の部分を可変領域とすることで、複数の車種に対応できるようにした。

 ボディーでは高張力鋼板を多用することなどで、骨格の強度を高めた。「日本の自動車アセスメントプログラム(JNCAP)における20年度の衝突安全性能試験に対応できる高強度ボディーを開発した」(佐藤氏)と言う。

 パワートレーンでは、排気量1.5Lで直列4気筒の直噴VTEC過給ガソリンエンジンを搭載した。変速機はCVT(無段変速機)、あるいは6速MT(手動変速機)を組み合わせる。エンジンと変速機は、現行車のものを改良した。

 CVTと6速MTを組み合わせた場合のいずれも、新型車のエンジンの最高出力は134kWで、最大トルクは240N・m。CVTを組み合わせた場合は、現行車のエンジンに比べて最高出力は同じで、最大トルクは20N・m向上した。6速MTを組み合わせた場合は、最高出力と最大トルクは現行車のエンジンと同じである。