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 新型コロナウイルスワクチンの接種が広がる一方で、接種後の健康状況を把握する取り組みが遅れている。厚生労働省はSNS(交流サイト)を使い、2021年4月から接種後の健康状況調査を実施する予定だったが、いまだ始まっていない。

 そこで、自治体が自ら健康状況調査に乗り出す動きも出てきた。沖縄市は接種後の健康状況を調査する仕組みを独自に構築し、実態をリアルタイムで把握。住民が安心して接種するための参考としてもらうべく、回答を集計したダッシュボードを6月中にも一般向けにWebサイトで公開する予定だ。

体調の変化をリアルタイム表示

 沖縄市は集団接種会場での高齢者へのワクチン接種を5月12日に開始し、接種後の住民の体調を確認するアンケートも同時に始めた。「初めてのワクチンなので、沖縄市で接種した人たちの体調の変化が分かると安心して接種に臨んでもらえるのではないか」(ワクチン接種を担当する沖縄市こども企画課の担当者)と考えた。

 健康状況調査の流れはこうだ。まず接種の予約時にメールアドレスを入力してもらう。続いて、接種後に健康状況を尋ねるアンケートをメールで送信。住民がWebフォームで回答を入力すると、その内容をリアルタイムで集計してダッシュボードに表示する。

 6月15日時点では高齢者約1万2000人が接種を受け、このうち778人が回答した。例えば、「体温が37.5度を超えた人の割合」は1.84%。症状別の報告件数を見ると、「特に新しい症状はない」が396人で最も多く、「接種箇所の赤み、腫れ、痛み」が207人、「筋肉痛・関節痛」が75人などとなっている。

沖縄市が実施した体調確認アンケートの結果画面
沖縄市が実施した体調確認アンケートの結果画面
出所:沖縄市
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症状別の報告件数
症状別の報告件数
出所:沖縄市
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 沖縄市は2020年12月からワクチン接種管理システムの導入を検討。予約から接種記録、接種後の健康状況までを一元管理し、個々の状況をリアルタイムで可視化できるSAPジャパンのシステムを採用した。当初、検討していたのは予約システムで接種後の健康状況調査は予定していなかったが、併せて実施することを決めた。

 健康状況調査はSAPジャパンのシステムが備えるアンケート機能を活用して実現している。回答をリアルタイムで集計してダッシュボードに表示するため、集計などの手間がかかることなく住民に情報提供できる。

 アンケートでは、接種後の体温や症状など体調の変化を質問。ダッシュボードには前述の体温や症状別の報告のほか、「接種後どのくらいで症状が出たか」「現在も症状が継続しているか」「症状はどのくらい辛いか」などがグラフで表示される。ダッシュボードは回答に基づいてリアルタイムで更新されるが、6月中にも一般向けに公開するものは月1回くらいのペースで更新していくという。

「接種後どのくらいで症状が出たか」「現在も症状が継続しているか」を聞いた結果
「接種後どのくらいで症状が出たか」「現在も症状が継続しているか」を聞いた結果
出所:沖縄市
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症状の辛さや日常生活への影響なども聞いている
症状の辛さや日常生活への影響なども聞いている
出所:沖縄市
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