ライフサイエンス分野のイノベーションに取り組む企業が集まる湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク、神奈川県藤沢市)で、AI(人工知能)の導入に関する入居企業による質問に「コンシェルジュ」が無料で回答する取り組みが始まった。製薬企業などにある「AIをどう使えばよいか」との疑問に回答する。
取り組みは2021年5月26日に始まった。AI Dynamicsと日本マイクロソフト、日本IBMの3社がAI導入などに関する無料相談に応じる。「AIってそもそも何?」といった漠然とした質問から簡単なAIシステム構築まで提供し、AIを活用する企業の母数を増やす。見据えるのは、そうした企業が湘南アイパークを巣立っていったときに、日本にAI活用の文化が醸成される未来だ。
湘南アイパークは、武田薬品工業が湘南研究所を開放することで2018年4月に設立された企業発のサイエンスパーク。様々なプレーヤーが1カ所に集まってエコシステムを形成することで、ライフサイエンス分野でのイノベーションの創出を加速させる場となることが湘南アイパークの理念だ。
製薬やバイオテクノロジー企業に限らず、ベンチャーキャピタルや行政、保険会社、総合商社など様々な企業・グループが参画している。スペースを借りてテナントとして実際に入居するほか、メンバーシップ企業としてエコシステムにのみ参画することもできる。2021年5月時点で120社以上、人数にして合計2100人以上が参画しており、多様性に富んだコミュニティーになっている。
今回始まった「iPark AI/DX Concierge」はAI導入やDX(デジタルトランスフォーメーション)について、湘南アイパークにパートナー企業として参画しているAI Dynamics、日本マイクロソフト、日本IBMの担当者がコンシェルジュとして無料で相談に応じるサービス。相談は1回50分で、相談希望者は湘南アイパークのシステムを通じて予約することができる。
形式張った面談ではなく雑談のような形で、「AIとはそもそもどんなものか」といった漠然とした質問に応じたり、AIやDXで相談企業が抱える悩みをどう解決できるかといったアドバイスをしたりする。湘南アイパーク内でのAI/DX関連企業との協業・連携を促進することで、イノベーションの加速につなげたいというのが取り組みの狙いだ。