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 同日は他にも、国内物流大手セイノーホールディングス傘下のセイノー情報サービス(岐阜県大垣市)がスマート物流サービスについて、味の素が加工食品の物流プラットフォームについてそれぞれ講演。パネルディスカッションでは日清食品の取締役も登壇するなど、国内で物流サプライチェーンに携わる複数の大手企業がフィジカルインターネットに対し、関心を持つだけでなく具体的な取り組みに着手していることをうかがわせた。

脱炭素で先行する欧米、日本も物流クライシス機に本腰

 これまでフィジカルインターネットの研究では欧米が先行してきた。理由の1つは世界的に活発な脱炭素競争だ。欧州連合(EU)は2030年までに温暖化ガスの排出量を1990年比で55%削減する目標を表明済み。米国も2030年に2005年比で50~52%減の目標を掲げる。こうしたなかで脱炭素に向けた有効手段として、フィジカルインターネットが注目を集めるようになった。

 一方の日本では近年、荷量の急増に人手の確保が追いつかず物流資源がひっ迫する「物流クライシス」が社会問題となり、そのことが物流業界におけるフィジカルインターネットの認知度向上につながった。

 さらに足元では脱炭素に向けた動きも活発だ。菅義偉首相は2030年の温暖化ガス削減について、2013年比で46%減にするとの高い目標を打ち出した。持続可能な物流網の構築と脱炭素に向けて今後、産官学でフィジカルインターネットの研究開発が一段と加速しそうだ。