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 「おおむね2025年までに3モデル、25~30年には複数車種の電気自動車(EV)を順次投入する」(マツダ専務執行役員 研究開発・コスト革新統括の広瀬一郎氏、図1)――。EVでは後れを取っていたマツダが一転、積極的な戦略へとかじを切った。そして、それに伴い同社が決断したのが、エンジン開発の在り方の見直しだ。今後は「大きな投資をせずに改良を継続する」(同氏)と明かす。

図1 マツダ専務執行役員 研究開発・コスト革新統括の広瀬一郎氏
図1 マツダ専務執行役員 研究開発・コスト革新統括の広瀬一郎氏
同社がオンラインで開催した説明会の映像からキャプチャーした。
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 火花点火制御圧縮着火(SPCCI)と呼ぶ独自の燃焼方式によって高効率化したガソリンエンジン「SKYACTIV-X」やロータリーエンジンなど、同社は強いこだわりを持ってエンジンを開発してきた(図2)。そんな同社が、ついにエンジン開発の在り方にメスを入れる。

図2 マツダのガソリンエンジン「SKYACTIV-X」
図2 マツダのガソリンエンジン「SKYACTIV-X」
火花点火制御圧縮着火(SPCCI)と呼ぶ独自の燃焼方式によって高効率化を追求したガソリンエンジン。(撮影:日経クロステック)
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 同社がまず念頭に置くのは、ソフトウエアを通じての改良である。記憶に新しいところでは、同社は、商品改良を施した小型車「MAZDA3」を20年11月に発売している(図3)。その改良の目玉となったのが、ソフトの更新を通じての、出力や応答性の向上である。

図3 改良を施して20年11月に発売した小型車「MAZDA3」
図3 改良を施して20年11月に発売した小型車「MAZDA3」
ソフトの更新を通じて出力やアクセル操作への応答性を高めた。(出所:マツダ)
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 SKYACTIV-Xを搭載したモデルでは、最高出力を従来の132kWから140kWへ、最大トルクを224N・mから240N・mへと向上。ディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 1.8」を搭載したモデルでは、最高出力を従来の85kWから95kWへ高めた。SKYACTIV-X搭載車では、EGR(排ガス再循環)に関する推定制御の精度を高め、より多くの空気を筒内に加えるようにすることで出力とトルクを向上。SKYACTIV-D 1.8搭載車では、燃料噴射制御の最適化によって出力を向上した。

 広瀬氏は、「こうした動きを今後も取っていく」と説明する。加えて、今後は「ソフト中心の進化に軸足を移していく。そうすることによって、リソースのシフトをスムーズにしていく」(同氏)と語る。