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 新たな交換式電池パックでは軽量化が急務になる。現状の1個当たり約10kgでは、誰もが簡単に交換できるとは言い難い。ホンダの開発陣も質量に関する課題は認識しており、「5k~6kg」を目指すべきだと話していた。今後、電池セルのエネルギー密度が2倍近くまで高まれば、電池パックの大きさや重さを半減できる可能性はある。

 現状、10kgという壁を突破できない大きな理由は安全性の確保にある。ホンダのような着脱可能な電池パックは、EVバイクに関する国際規則「UN-R136」の安全基準に適合させる必要があった。

 具体的には、高さ1mの位置から自然落下させても、発煙・発火しないように設計した。円筒型のリチウムイオン電池セルを組み合わせて保持器に納め、強度を高めるために電池管理システム(BMS)と共に補強骨格で囲う。さらに同骨格を丸ごと外装で覆っている。補強骨格を組み込む構造は大きく重くなりやすい。

 もちろん、開発時には可能な限り小型・軽量化を図ってきた。その1つが、電圧48V系の電池パックを採用したこと。2個を直列で接続し、96V系の電池システムを構築している。48Vの安全基準は比較的クリアしやすい。これが60Vを超えると絶縁性能への要求が跳ね上がる。追加部品が発生する可能性があり、電池パックはさらに大きく重くなる。

 コマツとホンダの電動建機をはじめ、今後異業種も同電池パックの活用に動くはず。そうなれば、誰にとっても使いやすい設計が従来以上に求められる。

編集部注:内容は取材時の情報に基づく(既存の交換式電池パックは19年1月)。