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 リコーがAI(人工知能)を活用したデータビジネスに参入する。顧客企業の同意を得て取得した各種データをAIで分析し、業務効率の改善などに役立てる。新型コロナウイルスの影響でオフィスのあり方が様変わりし、主力の複合機事業は逆境に立たされた。AIデータビジネスはリコーの救世主になるか。

 「デジタルサービスの進化の第一歩だ」。2021年6月17日、オンラインで記者会見したリコーの山下良則社長はAIデータビジネスに参入する意義をこう強調した。

リコーの山下良則社長
リコーの山下良則社長
(写真提供:リコー)
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 リコーは同ビジネスを「仕事のAI」と名付けた。第1弾として7月中旬から食品業界の大手や中堅企業向けサービスの提供を始める。コールセンターやヘルプデスクに集まる顧客からの問い合わせや指摘、要望をリコー独自の自然言語処理AIで解析し、項目ごとに分類したり、重要度順に表示したりする。

 リコージャパンの坂主智弘社長は「テキストマイニングツールでは発見できない顧客の声の『ニュアンス』を捉えられる」と力を込める。月額料金は3000件までの分析で20万円から。3000件を超えると、1件当たり5円の追加料金がかかる。別途、初期費用として10万円が必要になる。

 今後は業種・業務ごとに営業支援や文書作成支援といったサービスを仕事のAIのラインアップに追加する。さらに、中小企業向けにIT導入を支援する「スクラムパッケージ」に仕事のAIの各種サービスを組み込んだり、複合機との連携機能を追加したりする。リコーは仕事のAI関連で2025年に100億円の売り上げを目指す。

 リコーにとって、AIデータビジネス参入は大きな意味を持つ。これまでは複合機を販売し、保守や消耗品で稼ぐビジネスモデルで成長してきたが、企業などでペーパーレスが加速し、従来のやり方の限界が見え隠れする。そこで、「ソフトウエアで稼ぐ」(坂主社長)ためのけん引役として、仕事のAIを位置付ける。

リコージャパンの坂主智弘社長
リコージャパンの坂主智弘社長
(写真提供:リコー)
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