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 コーセーが米Amazon Web Services(AWS)とタッグを組み、IT部門の若手社員を中心にDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいる。2021年4月には、入社して1年ほどの若手3人のチームが店舗の混雑状況を可視化するIoT(インターネット・オブ・シングズ)システムを開発した。

 コーセーの進藤広輔情報統括部グループマネージャーは「若手は顧客に何を提供すべきかを考えるとき、システム開発が大変になるのではないかという先入観を持たない」と起用の狙いを話す。若手の物おじしない突破力で「改善」の枠を超えたDX実現を目指す。

 店舗の混雑状況を可視化するIoTシステムは、顧客同士の距離を保って接客を行う販売現場を支援するものだ。コロナ禍によって販売現場では、接客用の席数を減らしたことにより顧客の待ち時間が長くなりやすいなどの問題が発生しているという。

 同システムでは売り場に設置したIoTセンサーを通じて混雑状況を把握し、顧客のスマートフォンなどに通知する。通知を受けた顧客は百貨店の中など店舗の近くにいる場合、混雑していないタイミングを見計らって来店できる。

 システムは2021年6月時点で、コーセーの社内において試験運用している。対象店舗の改装や入居する百貨店との調整などを経て、同年夏ごろには一部の店舗に本格導入する見通しだ。

 同システムはAWSの支援を受けながら1カ月半で開発したという。次々と発生するデータ(ストリームデータ)をリアルタイムに集計する「Amazon Kinesis Data Streams」やIoTデバイスをAWSに接続する「AWS IoT Core」などのPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)をフルに活用。売り場に設置するIoTセンサーの選定も含めた全ての工程を若手社員3人でやり切った。進藤グループマネージャーは「自分たちで作ったシステムが役に立ったという成功体験を通じて、会社での存在意義を感じられるようにしたかった。モチベーションの向上につながる」と期待する。