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 沖電気工業(OKI)でEMS(電子機器の製造受託サービス)を手掛けるEMS事業部は生産拠点であるOKI本庄工場で、リールに巻かれた微細な電子部品をX線で数える計数装置を導入したと明らかにした(図1、2)。今後、電子化した在庫棚と連動し、生産計画と使い残し数を照合し、生産現場で欠品が生じないように払い出すシステムを構築する考えだ。

 プリント配線基板(PCB)に実装する微細な電子部品は、細長いテープに保持させた上でリールに巻き取った状態で実装機に供給する。多品種少量生産の場合はリール1巻分を使い切れず、生産機種の切り替え時に使い残しがある状態で実装機から外す場合が多い。外したリールは再び他の製品の生産に使えるよう、使い残しの数を1個単位で把握しておく必要がある。

図1 OKIのEMS事業部が本庄工場に導入したX線計数装置
図1 OKIのEMS事業部が本庄工場に導入したX線計数装置
X線撮影と画像処理により、4巻のリールの部品を15秒で数える。(出所:OKI)
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図2 リール内の部品をX線で捉えた画像
図2 リール内の部品をX線で捉えた画像
部品が複数つながって見えても、画像処理により個数を識別する。(出所:OKI)
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 新たに導入した計数装置では、装置内にリールを4巻まで入れられ、X線写真を撮影して画像処理により1個単位で電子部品を数える。4リールを15秒で数えられる。従来は、オープンリールのテープ装置のように巻き取り軸を2つ備えた機械を利用し、別のリールへ巻き取り直しながら個数を数えていたが、1つのリールについて3分はかかり、かつ誤差がないよう数えるには巻き取り直しの操作に作業者の習熟が必要だった。新装置では短時間で、作業者の技量によらずに誤差の少ないカウントが可能になる。

 数えた結果はバーコードとともにシールに印刷し、リールに貼って保管する(図3)。同事業部はその部品の保管に使う部品棚に、電子化したインテリジェントな装置を使おうと試みている。電子化した部品棚にリールを入れる際は、バーコードを読ませればリールは棚のどこに置いてもよく、部品棚がどこにどのリールがあるかを自分で管理する。

図3 計数結果を印刷したシール
図3 計数結果を印刷したシール
これをリールに貼って保管、管理する。(出所:OKI)
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 さらに次の製品の生産時に、製品の品名と生産量を入力すれば、それに合ったリールを引き当てて、在りかをランプで表示する(図4)。作業者が部品の管理に割く工数を削減できる。

図4 電子棚の払い出し表示
図4 電子棚の払い出し表示
生産予定の製品と個数の情報から、必要な部品が何かを計算し、適切なリールのある場所を赤色の点灯で示す。(出所:OKI)
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 使い残しの個数は「プラスマイナス10%くらいの誤差範囲ならX線を使わなくても把握できるが、ある製品機種の生産の最中にもし足りなくなったらラインは止まるし、部品の手配からやり直す事態になるから、結局1個単位の正確さが必要になる」(同事業部長で執行役員の西村浩氏)という。いずれは計測装置からの情報を電子化した部品棚に直結し、シールも使わずに済むようにする考え。さらには、生産ラインの実装機までその情報を連携させたいという。