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 再エネ電力への切り替えを実行した企業の実例から、具体的な手法や成功のポイントを紹介する連載。第2回で取り上げるのは、コストアップを押さえて主要拠点を再エネに切り替えた売上高50億円の印刷事業をてがける中小企業K社です。
 再エネ電力の切り替えは「優秀な若者の採用につながる」と語る社長。なぜK社は再エネ電力の切り替えに踏み切ったのでしょうか。

(出所:123RF)
(出所:123RF)

 印刷業界はデジタル化の波で淘汰が進んでいます。中部地区で印刷事業を営む中小企業のK社は、経営の行き詰まった同業者をM&A(買収・合併)によって傘下に収め、経営を立て直すことで成長しています。

 印刷業界全体の衰退などを背景に、K社の社長の関心は持続的な経営の継続と地域貢献に向かっています。どちらかというと古いイメージのある印刷会社。社長には、先進的な取り組みでイメージアップを図り、地域から注目される会社でありたいという想いがあったのです。

 社会が求める環境配慮の重要性も認識しており、再エネ電力にもかねて関心を持っていました。事業所の屋根には太陽光パネルを設置。大規模太陽光発電所(メガソーラー)も保有しています。

 ただ、メガソーラーの所有は投資としてメリットを感じていたものの、印刷事業の運営に直接関係する取り組みとは説明しにくいと考えていました。印刷工場を複数持つ同社は電力の使用量が多く、電気料金は年間2000万円にのぼります。これを再エネ電力に切り替えようと思いついた社長は、早速、総務部長に検討を指示しました。

電力契約の抜本的な見直しに初めて取り組んだ

 K社はこれまで、電力契約の抜本的な見直しはしてきませんでした。一部の拠点は、取引先に頼まれて新電力に契約を切り替えたことがありましたが、大半の拠点で長年付き合いのある大手電力会社との契約を継続していました。

 「既存の電力契約を見直せば、コスト削減が可能なのではないか」。そう考えた社長は、全7拠点のうち5拠点の電力契約を新電力に切り替えるとともに、そのコスト削減分を原資に、残り2拠点に再エネを導入する方法を選択しました。

 数社の電力会社に見積もりを依頼すると、5拠点の電気料金は10%ダウン。金額にして年間150万円を削減できることが分かりました。