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 欧州や中国を筆頭に電気自動車(EV)シフトが大きな潮流となる中、EVの普及がなかなか進まないのが日本。その大きな要因の1つとされるのが、集合住宅における充電設備の整備が容易でないことである。そこに一石を投じようとしているのが、東京ガスとユビ電(東京・渋谷)だ。両社は、資本業務提携契約を締結、機械式駐車場にも導入しやすいという、駐車スペースごとに個別のコンセントを配置する集合住宅向けEV充電サービスの事業化で合意した(図1)。

図1 東京ガスとユビ電が事業化を検討している集合住宅向けEV充電サービス
図1 東京ガスとユビ電が事業化を検討している集合住宅向けEV充電サービス
駐車スペースごとに専用コンセントを設置し、専用アプリとQRコードで充電を管理する。(出所:東京ガス)
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 同サービスの基盤に使うのが、ユビ電のEV充電サービス「WeCharge」である。電圧200Vの専用コンセントに充電ケーブルをつなぎ、専用アプリを用いて同コンセントに取り付けたQRコードを読み込むことで、EVの充電を可能とする。専用アプリにはあらかじめユーザー登録を行うため、充電サービスの利用者と充電量を把握できる。東京ガスは、それに応じて利用者から電気代込みの充電サービス料金を徴収し、集合住宅の管理組合に対してはEV充電の電気代相当分を払い戻す(図2)。

図2 東京ガスとユビ電による集合住宅向けEV充電サービスの事業スキーム
図2 東京ガスとユビ電による集合住宅向けEV充電サービスの事業スキーム
ユビ電は基盤となるシステムを提供する。(出所:東京ガス)
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 従来の集合住宅向けEV充電設備は、充電区画に高価な充電スタンドを設置するというもの。充電スタンドは通常、共用設備となるため、充電の順番待ちや車両の移動が必要になる。しかも、充電スタンドの場合、設備が大きくなるため、設置に対する物理的制約もある。

 これに対して両社が事業化を狙う方式は、EVユーザーが契約している駐車スペースごとに専用コンセントを設置するもの。それぞれの駐車スペースでコンセントを独占して使えることから順番待ちも車両の移動も必要ない。加えて、専用コンセントは「充電スタンドの100分の1から1000分の1と安価」(東京ガス)な上、小型であるため、各駐車スペースへの設置が可能である。東京ガスは、機械式駐車場でも導入しやすいとみている。