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 NTT西日本は2021年6月29日、同年5~6月に光回線の工事受付システムの障害が発生し、光回線の工事受付を1カ月近く停止した問題について2度目の記者会見を開き、詳細な経緯を公表。システム障害を招いた原因は、旧システムから新システムへの移行時に正規化などの処理をしきれず、新システムの入力規則に適合しない「汚れた」データにあると明かした。

2021年6月29日の会見で陳謝する小林充佳社長(右)と猪俣貴志執行役員デジタル改革推進本部長
2021年6月29日の会見で陳謝する小林充佳社長(右)と猪俣貴志執行役員デジタル改革推進本部長
(出所:NTT西日本の会見映像を日経クロステックがキャプチャー)
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 同社は当初、2021年5月10~16日の予定で工事受付システムを停止し、旧システムから新システムへ刷新する計画を立てていた。その際、新システムに障害が発生し工事受付停止が6月7日まで長引いた。

 同社によると、新旧システムではデータベースの仕様が異なり、そのことがシステム障害の遠因になったという。刷新前に申し込みを受け付け、刷新後に工事を実施するオーダー情報については、新旧システムをつなぐ「移行DB」に投入した。この際に住所や電話番号などのデータ形式を正規化し、新システムに適合させる計画だった。

新旧の工事受付システムの関係図。システム刷新をまたぐオーダー情報は移行DBへ投入し、住所や電話番号の正規化プログラムを通す仕組みだった
新旧の工事受付システムの関係図。システム刷新をまたぐオーダー情報は移行DBへ投入し、住所や電話番号の正規化プログラムを通す仕組みだった
(出所:NTT西日本)
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 新システムのデータ入力規則は、一言で言えば「データベースを汚れさせない」(猪俣貴志執行役員デジタル改革推進本部長)という基本方針に基づいている。具体的には、新システムでは未入力欄が残ったままの工事案件を受け付けない仕様としている。また旧システムでは住所の番地表記について「3-3」といったデータ形式を許容していたが、新システムでは「3丁目3番地」などと厳格な入力を求めるようにしている。

 これについて小林充佳社長は「これから当社もデジタルトランスフォーメーション(DX)を図って成果を出していくに当たり、システムだけでなく仕事のやり方やデータの投入の仕方も変えて、トータルで効果を出す方向にかじを切ろうとしていた」と語り、中長期的な視野に立った仕様変更だったとしている。ただ、そのための具体的な移行プロセスに落とし穴があった。