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 医薬コンサルティングの米IQVIAは、対話型AI(人工知能)を活用した製薬企業向けチャットボットサービスを2021年6月に日本で始めた。医療従事者からの問い合わせに対して、製薬企業が24時間365日体制で答えられるよう支援する。対話型AIを用いることで、回答の信頼性が問われる医療ヘルスケア業界で使えるチャットボットを実現したとする。

 このたび提供を始めたAIチャットボットは、カナダのconversation HEALTH(カンバセーションヘルス)社がもつ「タクソノミー型」と呼ばれる対話型AI技術をベースに、IQVIAのソリューションを組み合わせたものだ。タクソノミー型は従来のチャットボットで多く採用されている「辞書型」よりも質問の意図に沿った精度の高い受け答えが可能だという。

 辞書型チャットボットでは、ある質問に対する回答を1種類だけ用意している。そのためチャットボットが質問の意図と異なる回答をした場合、質問者が質問を変えて再度質問する必要がある。

タクソノミー型ではいくつかの階層に分けて整理した情報の中から適切なものを絞り込む
タクソノミー型ではいくつかの階層に分けて整理した情報の中から適切なものを絞り込む
(出所:conversation HEALTH)
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 一方のタクソノミー型は、質問者との対話を通じてAIがその意図を絞り込んでいくのが特徴だ。情報がいくつかの階層に分かれて整理されており、AIからの質問も交えた対話を行うことで、より抽象的なレベルから具体的なレベルへと徐々に階層を下げていき、最終的に質問の意図に沿った明確な回答が可能になる。

 例えば「頭痛」という単語を含む質問を考える。「病院が苦手なので治療のことを考えただけでも頭痛がするがどうすればいいか」という質問と、「この薬を飲んだら副作用で頭痛になることがあるか」という質問は、求めている回答が全く異なる。

タクソノミー型では質問の意図に沿った回答が可能だ
タクソノミー型では質問の意図に沿った回答が可能だ
(出所:IQVIA)
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 辞書型はいずれの質問に対しても「頭痛」という単語のみから判断して「副作用です」という同じ回答を出す恐れがある。一方のタクソノミー型ではAIが「それは安全性に対する質問ですか」といった趣旨の質問を交えながら、心理的なハードルについての質問なのか、副作用についての質問なのかを絞り込んだ上で適切な情報を提供する。