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 ドイツBMWの日本法人であるビー・エム・ダブリュー(BMWジャパン)は2021年6月30日、BMWのサステナビリティー(持続可能性)への取り組みと先端技術に関する説明会を東京都内で開催した。前者に関してはカーボンニュートラル(炭素中立)の実現に向けて、30年までに世界で販売する車両の50%を電気自動車(EV)にする。後者については、3眼カメラを使う最新の先進運転支援システム(ADAS)などを搭載する車種を増やし、BMW車が関与する交通死亡事故ゼロを目指す。

 BMWは炭素中立の実現に向けて、材料の調達から車両の製造や使用、リサイクルまでのライフサイクル全体での二酸化炭素(CO2)排出量を、30年までに19年比で3分の1に減らす計画だ。そのために(1)クルマの使用時、(2)クルマの製造工程、(3)サプライチェーン──という3つのプロセスにおける削減目標を定めた。クルマの使用時における削減率は30年までに19年比で40%、クルマの製造工程は同80%、サプライチェーンでは同20%とした(図1)。

ライフサイクル全体のCO2削減目標
図1 ライフサイクル全体のCO2削減目標
(出所:ビー・エム・ダブリュー)
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 目標達成に向けて、第1のクルマの使用時についてはEVの投入を加速させる。21年末までに、「iX」や「i4」などの新型EVを投入する。22年以降は数年以内に、「5シリーズ」「7シリーズ」「X1」「MINI Crossover」にEVを設定する。こうした取り組みによって、世界で販売する車両の50%を30年までにEVにする計画である(図2)。

EVの投入計画
図2 EVの投入計画
(出所:ビー・エム・ダブリュー)
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 第2のクルマの製造工程では、BMWの生産拠点で20年末にグリーン電力(再生可能エネルギーでつくった電力)の使用に切り替えた。第3のサプライチェーンでは、グリーン電力を使って部品を製造する比率を、サプライヤー選定の条件の1つにする。

最新ADASの中大型車への搭載拡大

 一方、事故ゼロを目指す取り組みでは、3眼カメラとミリ波レーダーを使う最新ADASの搭載車を増やす。既に日本仕様車では、中大型車に同システムを標準搭載しており、今後発売する中大型車にも標準搭載していく計画だ注1)

注1)現在、最新システムを標準搭載するのは「3シリーズ」や「4シリーズ」「5シリーズ」「7シリーズ」「8シリーズ」「X5」「X6」「X7」などである。小型車の「1シリーズ」や「2シリーズ」などはコスト面で採用が難しいため、単眼カメラとミリ波レーダーを使う別のシステムを搭載する。

 最新システムで使う3眼カメラはドイツZF製で、イスラエルMobileye(モービルアイ)の最新チップ「EyeQ4」を搭載。近距離用(最大検知距離:約20m、水平視野角:150度)と中距離用(同:約120m、同:52度)、長距離用(同:約300m、同:28度)の3つの単眼カメラで構成する。最新システムでは、「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」を実現したのが最大の特徴である。